♪ 【011】 田辺 由美 先生  [Oct/10/2004]


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過日、9月15日(Wed)に、飲食業界・酒類販売業界関係者向けの総合展示会、
「WINE FUKUOKA 2004」が開催され、参加してまいりました。
西日本洋酒懇話会の主催で、(株)グローバルの企画。

インポーター・生産者のブースでの試飲会の他に、
田辺 由美 先生のワインセミナーがあり、出席いたしました。
料飲サービスのプロ・酒販業者・一般のワイン愛好家に関わらず、
『田辺由美のワインブック/ワインノート(飛鳥出版刊)』で、
ワインの勉強をされる方々は多いですよね。

田辺先生のお話の一部を、以下に少々書かせていただきます。
今後、業界としては、春夏秋冬、料理を問わないワインとの位置付けで、
ロゼワインの販売促進に尽力すべきとのこと。
現在、日本においては、種類別では赤ワインの消費が最も多く、
ワインは、特別な時、あるいは、贅沢な肉料理を食する際に、
奮発して購入するという消費傾向がある。
ワインが売れるのも、週末に集中していて、デイリーといった感覚が根付いていない。
和食文化との兼ね合いからも、従来は消費比率の高かった白ワインの消費が伸びないと、
全体のワイン消費量のボトムアップにつながらない。
今、フランスにおいて、急速に伸びているのがロゼワインである。
フランス料理界においては、料理の潮流・健康志向の影響等で、
ソースを始め、全体的に軽くなって来ており、重口の赤ワインが合わせ難くなって来た。
特に、女性の支持者が多い。ロゼは白ワインに近いテイストであり、
巧みなコンサルティング販売を展開すれば、充分、日本にも馴染むはず。

これから、スクリューキャップを採用したワインが増えて来るが、
安いワインということではなくて、ダメージのリスクが少ないワインと解釈してほしい。
コルクを使い続ける限り、ブショネ(Bouchonne/英語ではCorky/コルク臭)
のリスクが伴う(良質のコルクの生産が減っている)。
昔のコルクは煮沸消毒だったが、現在は漂白剤浸け込みのため塩素の影響が残る。
(実際、セミナー会場において試飲に使用した30アイテム×数本の中に、
少なくとも、2本のブショネを発見しました。)

酒販業者の試飲会場においても、
田辺先生は、私のとりとめのない質問に丁寧に回答してくださり、感激いたしました。
その後、別会場にて行われていた、
「2004秋 (株)モトックス輸入ワイン試飲会」にも出席いたしました。

さて、試飲会とは言いましても、実際には、ワインを飲み込まないことが多く、
しばしば、「もったいない」との声も聞かれます。

ワインの試飲(Tasting)は、楽しめるワインを見つけるための「過程」に過ぎず、
決して、「目的」ではない
ので、割り切るしかないような気がします。
飲み込まずに吐き出すのが「もったいない」と感じるのは、ごく自然なことであり、
生産者・インポーター・酒類販売業者・サービス従事者・一般消費者のいずれにしても、
共通した感情だと思います。できることならば、全部飲んでしまいたい。

通常の試飲の現場では、
複数のアイテムの香り・味といったテイストの「違い」を把握することが重要であり、
その「違い」が、分からない状態になってしまっては無意味です。
プライオリティが高いのは、それぞれのワインの「個性」を的確に理解することです。
やはり、そのためには、アルコールが回らないようにしたり、
水やバゲットを口に含んだりして、リセットしたりして臨む必要があります。
確かに、残念なことではありますが……
でも、「酔っ払って、後で飲んだワインは分かりませんでした。」よりはマシです。

BourgogneやBordeauxを始め、生産者(Domaine/Chateau)を直接、訪問された方は、
ご覧になられたことがあるかもしれませんが、
醸造関係者や案内担当者は、試飲の際に、
けっこう、豪快にワインを吐き出しているようにも見えます。
細い線で放物線を描いたりして、「ピューッ」といった感じで。
しかも、地面に直接出したりして。
意外と、生真面目な?一般的な日本人が考えるほどではなく、
生産者レベルでも、そのあたりは割り切っているようにも感じます。

一番大切なのは、試飲の後ではないのでしょうか。
酒販業者であれば、良いと判断した、あるいは、日本で売れると考えたアイテムを、
(ネゴシアン等を通じて)仕入れる。
一般消費者であれば、何らかの形で、気に入ったアイテムを購入したり、
周囲の人達に、オススメということで紹介する。
最終的に、試飲を通じて、消費拡大につながれば、
つまり、一生懸命に造ったワインを飲んでもらう(楽しんでもらう)ことができれば、
生産者の努力も報われるのではないでしょうか。

ワインの試飲に関しては、もちろん、
一般消費者は、そこまでする必要はありません。必然性は皆無です。
そこまでしなくてよいように、物流やサービスのプロが存在するわけですから。
でも、逆に、そこまでしても、いっこうに構わないわけです。
少なくとも、僅かながらも、消費拡大につながり、
ワイン文化の裾野が広がるわけで、良いことだと思います。

実際のところ、VINEXPOを始めとする、
(商談・販売促進を目的とした)業界関係者向けの国際見本市/総合展示会に、
純粋な一般消費者が、どの程度入場可能なのか……
もちろん、主催者が拒絶する、合理的な理由は特に無いのですが、
ホテル/レストラン・インポーター/酒類販売・報道関係者といった、
業種別に受付をして、業種ごとの色で区別したカードを身に着けたりするわけで……
(招待された業界関係者の同伴者として入場することが多い。)

それでも、なお、試飲をしたいという熱意のある、純粋な一般消費者については、
「ワインを愛する仲間」として、大いに歓迎したいところです。

なお、商談目的(業界関係者向き)ではない、
醸造元・販売元のワイン会・試飲会には、多くの方々にご参加いただきたく思います。
ENOTECA等のワイン・ショップ主催で、しばしば、行われていますよね。
全部、飲める程度の設定である場合も多いのですが、
実際、アルコールに弱いけれども、ワインが好きという方がおられるので、
ワインを残すということが苦になりさえしなければ……
やはり、ワインとの関わり方・楽しみ方は人それぞれですね。