♪ 【003】 日本のImporter(インポーター/輸入業者)について  [May/31/2004]


酒類販売業界も、IT時代を迎え、大きな変革の流れの中にあるようです。
今まで、一般の消費者が知り得なかった情報を、ワイン生産国から入手し、
しかるべきアイテム……具体的に言いますと、
日本市場で受け入れやすそうな物、つまり、売れそうな物を選別して、
紹介してくださいました。
各種団体や、メーカーとのタイアップ企画等により、
それなりのブームや、ムーブメントの仕掛け役として、活躍されました。
我が国でも、ワイン愛好家が増え、消費量も伸びました。
おかげさまで、今や、最も身近な、お酒のひとつです。

ただ、現在、Internetの発達や、欧州渡航者の増加が、
市場に変化をもたらしていることを、読み誤ると、
もしかすると、淘汰されるかもしれません。
豊富な選択肢から、迷いながらも、アイテムを選ぶ権利が、
元来、消費者にはあります。
かつては、様々な輸入に関する制約等のため、
ある程度、選別して引いて来る必要があったのかもしれません。

しかしながら、昔は、業界関係者しか、知り得なかった情報を、
一般消費者が、いとも簡単に、知り得る時代になりました。
Disclosure(ディスクロージャー/情報公開)が、かなり進んでいます。
個人宅のPCが、Internetで、生産者やメーカーと、つながっているのです。
いつまでも、業者が先にありきで、一般消費者が、
「ワイン流通の末端に存在している」、あるいは、
「情報の(一方的な)受け手である」といった感覚でいると、
時代の流れから、取り残されてしまうことも、あるのではないでしょうか。


酒類販売、特にワインの場合、
最も大切なのは、Etiquette等の外観ではなく、中身の品質保持です。
確かな品質が保証された、生産者蔵出しや、個人輸入の実績が増えれば、
日本の業者との接点も、次第に、少なくなって行きます。
昔と違って、航空便も、比較的安価に利用でき、
仮に、船便で、ケース単位で大量に引いたとしても、
Reefer Container(定温コンテナ)輸送なので、
かつてのように、赤道通過時に、品質が劣化するなんてこともありません。

品質保持には、ある程度、コストが掛かるのが常ですが、
海外の情報を漁っていると、
あまりもの、内外価格差に驚いてしまうことも、しばしばです。
品質が確かなら、値段が安いほうが良いと思うのが、
一般消費者の心理の常なのではないでしょうか。
業者もまた、消費者のひとりなのですから、
利益を確保するプロ(企業)の視点を保ちつつも、
常に、消費者サイドに立った、商いが求められます。

でも、私は、直輸入を勧めているわけではありません。念のため。
New World等の販売攻勢が、ワインの流通を変えようとしています。
伝統的商習慣を重んじるフランスの、中間の流通業者、
早い話が、問屋さんに相当する業者の言い分としては、
生産者が直販するようなやり方は、フランス・ワインには馴染まない。
買占めや、不当な価格の高騰を招き、安定供給に支障が生じ、
市場が混乱して、結局、消費者の不利益に繋がりかねないので、
調整役としての、Broker(ブローカー)が必要……なのだそうです。
オークション・アイテムとして、投機的要素をも併せ持つ、
一部のGrand Vin(銘醸ワイン)のことを考えますと、一理あるようにも思えます。

結局のところ、"落としどころ"が難しいですね。
いずれにしましても、私といたしましては、
正規の輸入販売業者さんの、反感を買わない範囲で、
フランス本国に乗り込んでの取材を含めて、
日本未リリースといった、いわば、"隙間のアイテム"を、
これからも、ご紹介してまいりたいと思います。
と同時に、ワインというアイテムそのものだけではなくて、
ワインにまつわる文化を、お伝えできれば……と考えております。
(^_^)v 乞うご期待!