| Volnay Premier Cru Les Caillerets Clos des 60 Ouvrees Monopole Domaine de La Pousse D'or (ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・カイユレ クロ・デ・ソワサント・ウーヴレイ モノポール ドメーヌ・ド・ラ・プース・ドール) 私が、ワインを好きになるきっかけになったアイテムです。 ホテル日航福岡 Theme Restaurant(テーマ・レストラン) Les Celebrites (レ・セレブリテ)にて、 石井 秀樹 J.S.A. Senior Sommelierに、勧めていただきました。 現在は、la table de Provence / 南仏料理&ワイン プロヴァンス に在籍されています(J.S.A. 九州支部 企画部長・渉外部長)。 Vin Rouge(赤ワイン)なのですが、 私は個人的に、渋味・苦味が強いワインが、好きではありません。 かなり抽象的な表現で、自分の好みのテイストを伝えたところ、 彼が用意してくれたのが、このBourgogne(ブルゴーニュ)でした。 |
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| 可憐な、Framboise(フランボワーズ/Raspberry/木苺)を思わせるような、 甘く、軽やかで、フルーティな芳香を漂わせながらも、しっかりとした構造を持ち、 相当の複雑味を感じ、凝縮感があり、大変パワフルで、飲み応えがありました。 心底、感動しました。私は、この日を境に、ワインを本格的に勉強するようになりました。 「Grand Vin(グラン・ヴァン/偉大なるワイン)…… それは、物でありながら、人を教え、人を導き、人を啓蒙する、 崇高なる存在である。」 『ピエール松尾 語録』 My Favoriteは、初心を忘れないためにも、今でも、とても大切にしているのですが、 原点のアイテムは、ともすると、思い込みや、先入観が影響することも有り得ます。 しかしながら、その後、 DRC(Domaine de la Romanee Conti/ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)や、 Bordeaux(ボルドー)の、5大 Chateau(シャトー)を始めとする、 (より高価な)銘醸ワインの飲用経験を、幾度も、積み重ねていく中でも、 決して、色褪せることの無い魅力を、燦然と放っているのは、さすがだと思います。 大量に仕入れて、Sommelierを始め、 料飲・酒類販売業界関係者の皆様方等と、何度も試飲を行って、 冷静に分析しても、大変、ポテンシャルの高いワインであることが、充分理解できます。 造り手もさることながら、このアイテムを紹介した、 極めて優秀な、石井SommelierのServiceに、深い感銘を覚えます。 My Favoriteから授かった、ワインへの情熱は、私を突き動かし、 とうとう、Domaine(造り手)を訪れるまでになりました。 【Domaine訪問時のレポート】 メルマガ・バックナンバー [Apr/26/Sat/2003] ♪ 『ピエール松尾のブルゴーニュ紀行』 連載開始! さて、Premier Cru(1級)の上位には、Grand Cru(グラン・クリュ/特級)があり、 Bordeauxには、Medoc(メドック)の、1〜5級の格付等が存在するわけですが…… Medocに関しては、1855年の策定ですから、来年で150周年を迎えます。 策定以来、ほとんど変動が無く、現在においては、実勢・実態を反映していないばかりか、 (日本的な言い回しで)「老舗の暖簾にあぐらをかいて……」といった弊害もありそうです。 Restaurantは、毎年、赤本、すなわち、 "Le Guide Rouge Michelin(ル・ギッドゥ・ルージュ・ミシュラン)"の洗礼を受け、 市場原理で淘汰されるRestaurantも、あるというのに…… 評価されるお店は、相当な緊張感で、MealもServiceも良くなると思います。 しかしながら、旧態依然のワインの格付に関しては、閉鎖的ですね。 ランキングには、格付当時における、造り手の実績や歴史が、 反映されていたといいますが、この1世紀半の間に、 オーナー・経営者・醸造責任者の変遷があるのに対し、 格付が、旧来のままというのは、変な話です。 一方で、Michelinによる、毎年の格付の変動を受容するフランス。 私は、プライベートでは、Bourgogne(Vin Rouge)を好んで飲んでいますが、 以前、あるRestaurantにて、Service Staffから、 「いつも、Premier Cruばかりを飲まれていますので、Grand Cruになさいませんか?」 ……のようなことを言われて、激怒?したことがあります。 う〜ん、はっきり申し上げて、これは、余計なお世話ですね。 私は、あえて、1級を、ずっと、飲み続けていたという意識は、毛頭無く、 好んで飲んでいたワインの(畑の)等級が、たまたま、1級だっただけのことです。 (ちなみに、Volnayには特級畑は存在しません。) Staffの、こうした言い方は、場合によっては、 ワインを飲む"人間に対する格付"にさえ聞こえ、 誤解を招きやすい表現ですので、たちが悪いです。 無用なトラブルを回避する意味でも、言わないようにしましょう。 大昔に策定された格付の、内容そのものには、 今となっては、あまり意味が無いように思います。 (もちろん、知識として、F&B関係者は知っておく必要があります。) そもそも、Medocの格付が、パリ万国博覧会を契機に行われたので、 Vinexpoの度に、ランキングの存在自体を含め、見直すといいですね。 等級が高く、高価なワインが、一様に、万人受けして美味しいのであれば、 Sommelierという人材は、必要無くなります。 決して、そうではないところが、ワインの魅力であり、 ワインの前では、全ての人間が平等であるところが、また、素晴らしいのです。 現在、昔と違って、Sommelierといわれる人材が増えました。 ですから、この、ワインのナビゲーター(伝道者)を、上手に活用すれば、 きっと、お気に入りのアイテムに出合えるはずで、 誰でもが、ワイン好きになれる可能性があります。 逆に、料飲サービスのプロであるべき、Sommelierの職務怠慢により、 お客様に、不幸なワインとの出合い(体験)を、引きずらせることにでもなれば、 そのGuestが、将来、オーダー(購入)したであろう、ワインの売り上げが消滅し、 ひいては、消費低迷・市場規模の縮小さえ、招きかねません。 ワインの専門職ソムリエは、極めて、責任重大なポジションだと考えます。 ライセンス(免許)ではなくて、あくまでも呼称資格ですが、 Professionalで居られなくなった者は、葡萄バッジを外して、然るべきです。 私は、Restaurantで、Wineを飲用する際に、必ず守っていることがあります。 私の"こだわり"といいますか、ポリシーです。 それは、「1本のBottleを全部飲んでしまわず、(澱の部分を除いて) 少なくとも1/3〜1/4程度は残して帰る。」というものです。 半分しか飲まないことも、しばしばです。 ですから、1本の葡萄樹(単位面積)あたりの収穫量が少ないDRC同様? 1本のBottleあたりの、飲用率が、とても低いのです。 それこそ、「もったいない」とか、「Half Bottleにしたらいいじゃないの?」 といった声が、聞こえてきそうですが、実は、それなりの考えがあってのことです。 Wineが好きになるきっかけは、人それぞれです。 自ら開拓した方も、中にはあるでしょう。ただ、私は違います。 Wineのガイド役の、Sommelierのおかげです。 ですから、私は、現場で励んでいるSommelierに、 ご恩返しがしたいと、常々、考えておりますし、 また、これから、Sommelierになろうとしている若い人の役に立ちたいのです。 以前は、Restaurantで、Wineをオーダーする際、 同じ銘柄を2本注文して、1本をStaffに提供したり、 Wineを全部飲みほさずに、従業員の勉強用にと、 わざと残されるGuestも、そこそこあったようです。 しかしながら、この、厳しいご時世、そうしたものは減り、 澱の部分まで、きっちり飲んで帰られる方や、 SommelierのTastingの、僅かな分量の目減りにさえ、 クレームをつけるお客様が、いらっしゃる等、 あらゆる意味で、余裕が無くなってきており、心寂しい限りです。 現役Sommelierや候補生の、勉強の機会が、減っているわけで、 彼等を取り巻く環境は、ここのところ、悪くなる一方です。 "お客様に学ぶ"が、しづらくなっているのです。 Guestに、Wineの素晴らしさ・楽しさを伝えるために、 彼等が、陰で行っている努力には、本当に、頭が下がる思いです。 かつての、バブルの頃とは、明らかに違って、 Wineの管理・サービスだけを、専門に行える環境ではなく、 並行して、他の、様々な業務を、こなさなければなりません。 Sommelierだからといって、皆が、Wineの本場のEuropeに、 研修等に行った経験があるかといったら、そうではなく、 欧州への渡航経験が、まったく無い人もいます。 一旦、HotelやRestaurantに配属されると、連続した休暇を取るのが、難しいようです。 日本未リリースや、免税店限定販売のアイテム等は、 むしろ、(渡航経験豊富な)お客様の方が、知っていることもあり、 Guestとの交流や、情報収集は欠かせません。 HotelやRestaurantでは、実質的に、引くことができないアイテムを、 お客様が、自宅で楽しんでいらっしゃることもあります。 現場のSommelierは、残ったWineを、 余すところ無く、とても有効に活用することができます。 Tasting Commentを記録するのは、もちろんのこと、 澱を使用して、ソースを試作したり、Blind Tasting等、勉強会の資料にしたり、 わざと酸化(劣化)させて、品質管理の研究材料にしたり…… 決して、無駄になってしまうということはありません。 現場のSommelierが、"育つ"ことは、 彼等のスキル・アップのみならず、そうしたことが、必ず、 お客様に、フィードバックされて、"返って"来ます。 そうして、Guestは、より良いServiceを、享受することができ、 市場も成長し、長い目で見て、Wineを取り巻く環境が良くなるのです。 Sommelierは、Guestが、これから、飲もうとしているアイテムについて、 Guestより先に飲用経験があり、テイストを理解していることが理想です。 当然のことながら、自らの実体験に基づいたSuggestionのほうが、 遥かに、説得力がありますからね。 ただ、膨大なアイテム、しかも、Vintage違いのTasting(試飲)となりますと、 なかなかに、大変なことです。 お客様とSommelierの両方に、同じアイテムの飲用経験…… すなわち、共有体験があれば、 今後の、アイテム選定等も、大変、やりやすくなります。 私の場合、(勉強のために)後で、Commentを取ったりもいたしますが、 それが貴重な資料となり、私自身にとってもメリットが大きいわけです。 私は、何も、偉ぶっているわけではありません。 皆様方に、私流のWineとの関わりを勧めるつもりは、毛頭ありませんが、 現場で、一生懸命に励んでいる、Sommelier達を、何らかの形で、 どうか、心にかけてあげて下さい。 皆様方と同じく、ワインをこよなく愛する、私からのお願いです。 |
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