----- Original Message -----
Sent: Thursday, May 04, 2006 9:25 PM
Subject: ♪ 続 Paris 2006 - パリ紀行


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

--┳ξ ♪[May/04/Thu/2006] 【Les Caves Pierre Matsuo】 (不定期刊)
-●●-
●●● 豊かな食文化の未来を切り開く 『ピエール松尾のE-Mail Magazine』
-●●-
--●-- [特定多数宛同報送信] by Pierre Matsuo

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


当E-Mailは、
既に、5月1日(Mon)に送信済みのメールを、補足するものです。

前回のメールにて、

 [ Paris 2006 - パリ紀行 ]
   URL: http://www.pierre-matsuo.com/report-020.html

をご案内させていただきました。
帰国後、諸般の事情により、取り急ぎ作成いたしましたレポートであり、
現地での取材による写真で構成されております。

つきましては、今回、
上記のレポートを基にした、解説を作成いたしましたので、
合わせてご覧いただけますよう、宜しくお願いの程申し上げます。

なお、今回の旅程中に、個別や同報でメール受信されていた方々の場合、
一部、内容が重複する箇所もあるかと存じます。
何卒、ご了承願います。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

( ^_^)/▼ 『続 Paris 2006 - パリ紀行』 ▼\(^_^ )


▼ 1. 【Hotel Ritz Paris(ホテル・リッツ・パリ)】


前回のParis滞在時には、
Crillon(クリヨン)を利用させていただきましたが、
今回、Ritzにしたのは、
村上 信夫 Chef(帝国ホテル 元料理顧問)の足跡を辿りたかったからです。

【参考書籍】
 『帝国ホテル 厨房物語 私の履歴書』 村上 信夫 [著]
   日本経済新聞社 (ISBN: 4532164141)

フランス料理の歴史は、村上ムッシュ抜きには語れません。
ホテル内には、
Ecole Ritz Escoffier(リッツ・エスコフィエ・フランス料理学校)があります。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

▼ 2. 【L'Espadon(レスパドン)】


Ritzの朝食は、メインダイニングのL'Espadonにて供されます。
7:00〜11:00でした。朝食とはいえ、30 Euro以上もします。
メニューには、「Le Petit Dejeuner」と書いてありました。
宿泊プランが朝食込みの場合は問題ありませんが……

ちなみに、ホテルの朝食と言いますと、
Cafe Restaurantの位置付けの料飲施設で提供することが多いのですが、
Crillonの場合も、メンダイであるところの、
Les Ambassadeurs(レ・ザンバサドゥール)で供されました。

L'Espadonにおける、ディナーのコースは、180 Euroで、
240 Euroで、バイ・ザ・グラスになります。
私は、試しに、ワイン付きのコースをオーダー。

L'Espadonの雰囲気は、私のサイトの写真のとおりですが、
サービスは、ホワイトタイ(テールコート)姿のスタッフが行います。
奇をてらったお料理は出て来ないので、
(冒険せずに)正統派のフレンチを堪能したい向き、
あるいは、商用・接待には妥当な選択でしょう。
バイ・ザ・グラスのワインの選択も、教科書どおりで、
面白味は無いものの、安心して楽しめる雰囲気があります。
ただ、礼装のスタッフに緊張してしまう人もあるかも。
朝食時も同様ですから、まさに、バトラーといった感じです。

客層は、やはりホテルの滞在客が中心のようで、
周囲のテーブルの会話は、ほとんどが英語でした。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

▼ 3. 【Restaurant Hiramatsu Paris(レストラン ひらまつ パリ店)】


ディナーは、基本的に、
Menu Degustation(Course Menu)をオーダー。
日本と違って、本場のフランスにおいては、
いつものことながら、ポーション(量)が多いのが困ったもの。
日本の感覚ですと、A la carteのサイズ。その点、ここは安心。

パリ店は、モダンな内装で、
サービススタッフは、スーツ姿でした。
良い意味で、日本的なものは感じませんでした。
スタッフの中には、日本人はおらず、
私は、店内で、全く日本語を使いませんでした。
客層は、地元の方が多いように感じました。
(日本語を話しているゲストはいらっしゃいませんでした。)

「ひらまつ」は広尾・博多・パリで、
同じメニューを提供されているのですが、
内容やサービス方法が、微妙に異なっており、
それぞれのお店で、充分、楽しめると思います。

【参考書籍】
 『ひらまつからの招待状』 平松 宏之 [著]
   文春ネスコ (ISBN4-89036-186-3)

今回は、
DELICE GASTRONOMIQUE
MENU SERVI POUR L'ENSEMBLE DE LA TABLE [130 Euro]
をオーダー。
自ら選んだワイン、
Volnay Santenots Premier Cru Robert Ampeau 1976
は160Euroでした。
博多店の場合は、Fromage(フロマージュ/チーズ)は別になりますが、
このコースでは込みでした(Fromages de saison)。


□ Amuse-bouche

 この作品の「走り」とも言える一皿が、
 今年2月に催された、
 Diner aux Truffes(トリュフ晩餐会)にて供されていました。
 http://www.pierre-matsuo.com/gallery-005.html#2
 トリュフ晩餐会の、
 Parfait du lait aux truffes(牛乳のパルフェ トリュフ風味)とは、
 内容がかなり異なるものの、共通点のある一品。
 「温かい」と「冷たい」が、同時に口の中で堪能できる逸品。

□ Medaillon de homard aux truffes,
  ondoye d'asperges vertes

 同じく、トリュフ晩餐会のメニューでは、
 OEufs de caille aux truffes(鶉の卵のトリュフ風味)に相当。
 広尾店・博多店の現在のメニューには、
 「オマール海老のメダイヨン トリュフ風味
 波打つグリーンアスパラガスのピューレと共に…」
 との対訳が施されています。
 まさに、(絵画の)パレットの上の芸術作品。
 一皿で、多彩な味わいが、存分に楽しめます。

□ Raviole de foie gras, emulsion de morilles

 これは、日本の「ひらまつ」では、
 Ravioles de foie gras aux morillesとの表記で、
 「フォアグラのラビオリ モリーユ添え」との対訳。
 泡の中から、何が出て来るかワクワクさせる一品。

□ Carre de saumon semi-fume,
 jus d'artichaut a l'orange

 「軽く燻製をかけたサーモン
 オレンジの香りを付けたアーティチョークのジュース」との対訳。
 軽やかな仕上がりで、次の肉料理へ余裕で行けます。
 私の好きな食材アーティチョークのジュースが、
 サーモンとよく合っています。
 オレンジの香りも活きていて、さっぱりとした味わい。

□ Supreme de pigeon au foie gras et fevettes,
 parfums de cacao et cafe corse

 「バンデ産鳩の胸肉 空豆とフォアグラ添え
 ほろ苦いコーヒーとカカオのパルファン」

 実は、パリ店を訪れる直前に、
 博多店にて、壮行会を行いました。
 (その際の写真は、現時点では当方のWebサイトには未掲載。)
 博多店では、カルトサイズで供していただきましたが、
 カルトでは胸肉が2片になるようです。
 表面は芳ばしく仕上げてあり、中心部分に近付くにつれ、
 ジューシーな食感が堪能できる絶妙な火の通り具合。香り豊かな逸品。
 (重たいソースがかかっていないこともあり)
 これは、いくらでも食べられそうです。
 写真では、分かり難いかもしれませんが、
 Viande(肉料理)専用のナイフが提供されています。
 切断面のシャープなエッジが楽しめるので、
 日本でも、ぜひ、そうして欲しいところ。

□ Salade de fruits exotiques, granite ananas

 お口直しのような感覚の、軽いDessert(デセール/デザート)でした。
 暑い時季には、こうしたものが最適です。
 「エキゾチックフルーツのサラダ仕立て
 パイナップルのグラニテと共に」との対訳。


Michelin(ミシュラン)の調査員は、
いったい、どこに目が付いているのでしょうか?
いまだに、Hiramatsu Parisが、
一ツ星に甘んじていることが信じられません。
早く、三ツ星になれるよう、今後とも、しっかり応援してまいります。
この、ピエール松尾、来年の今頃は、
「株式会社 ひらまつ」の大口株主……かもしれません。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

▼ 4. 【L'Ambroisie(ランブロワジー)】


ここには、Course Menuが無く、
A la carteのみだということを、予め知っていましたが、
ポーションの点が心配でしたので、
当初は、(普通に)2皿を頼む予定でした。

到着すると、マダムが出迎えてくれたのですが、
アテンドのみならず、自ら、丁寧にメニューを説明してくださり、
さらに、サービスまでされていました。
で、結局、心動かされて3皿、正確に言えば、
Dessertも入れて、4皿オーダーしたのですが……

もちろん、全体の流れでは、+何皿も出て来ますので、
物凄いボリュームになりました。
昼食抜きで、気合を入れて臨んだかいがありました。

Poisson(魚料理)やFoie Gras等も、
「これから切り分けて出すのだろうか……」
と思える程のポーション。はっきり言って巨大。
一皿一皿に、充分な満足感が得られます。


□ Feuillantine de queues de langoustines
 aux graines de sesame, sauce curry [82 Euro]

 定番の手長(スカンピ)エビのカレーソースは、
 もちろん、オーダーしました。
 Entree(Hors-d'oeuvre)の位置付けになりますが、
 メイン級のボリューム感です。
 ソースの香りは確かにカレーですが、
 口に含むと、スパイシー感は無く、まろやか、クリーミー。
 エビは半生のような仕上がりで、歯応えが良く、
 ホウレン草や、芳ばしい白胡麻との相性も見事。
 全体のバランスが見事に調和した、食感豊かな逸品。

□ Dos de Saint-Pierre poele,
 etuvee d'asperges et morilles au vin jaune [95 Euro]

 フランス料理の食材の名前は、特殊なものが少なくないのですが、
 Saint-Pierreとは、マトウダイのこと。
 この一皿をオーダーした理由は、
 私が、Pierre Matsuoだから(← スベったかも)。
 分厚いマトウダイは、火の通り具合が完璧で、
 中は、ふわっとしていて、とても美味でした。
 お魚自体は、味が淡白なのですが、
 下から大量の(濃い味の)編笠茸が出て来て、バランスが取れており、
 Vin Jaune(黄ワイン)の風味も活きていました。

□ Foie gras de canard glace au caramel d'oignons,
 fanes et navets confits [88 Euro]

 日本において、フォアグラを、
 このボリュームで食べる機会は、まず、ありません。
 適切な表現とは言えないかもしれませんが、
 まるで、「豆腐一丁!」といった感じです。
 カラメルを使い、表面が美しい艶々の飴色に仕上がっており、
 表面の程よい弾力感と、内部のやわらかな食感とが、
 口の中で見事なハーモニーを織り成す、至高の逸品。
 フォアグラは、私が個人的に、
 フランスと日本との格差を感じる食材の最たるもの。
 フランスで食すフォアグラは、
 どうして、こんなにも美味しいのでしょうか。
 Bordeaux(Pauillac)の、
 Chateau Cordeillan-Bages(シャトー・コルディアンバージュ)
 で供された、最高のフォアグラを彷彿させます。
 http://www.pierre-matsuo.com/magazine-006.html

□ Biscuit chaud "Cote de Nuits",
 giboulee de fraises [32 Euro]

 お馴染みの、熱々のビスキュイ。
 Gibouleeとは、春先に降る(アラレ混じりの)にわか雨のことですが、
 シュガーの白色で、それを表現しているのでしょう。

最初に、マダムから、メニューを手渡された際、
ワインに関するキーワードとして、
Vin JauneとCote de Nuitsが目に付きました。
さすがに、黄ワインを頼むわけにはいかず、

Nuits-St-Georges Premier Cru Aux Chaignots
Faiveley 1989 [177 Euro]

にしました。
お料理との相性云々も、もちろん、大事なことではありますが、
こうしたインスピレーションもまた、楽しいものです。


自らの氏名を、そのまま店名にするといった、
自己主張の強い、フランス料理のChefが多い中にあって、
Bernard Pacaud(ベルナール・パコー) Chefは、
良い意味で控え目で、職人気質の方のようです。
多店舗展開してアピールし続ける、
次項の、Alain Ducasse(アラン・デュカス)とは対照的。
派手さは無いものの、何を食べたのかが、しっかり分かる作品を、
極めて高次元のレベルで送り出す、素晴らしい料理人だと思います。

Hiramatsuを贔屓にしている私としては、少々、申し訳ないのですが、
今回の訪問では、このL'Ambroisieが、最高に美味しいと感じました。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

▼ 5. 【Alain Ducasse(アラン・デュカス)】


以前(2002年4月)、
MonacoのLe Louis XV Alain Ducasseに、
行ったことがあるのですが、その際には、
自分の好みのワインを、リストから選びました(Pommard Rugiens)。
Sommelierから、特にコメントはありませんでした。
印象的だったのは、Sommelierの服装が、
黒服に、金の糸で葡萄の絵が刺繍された物だったことです。
服装は、ParisのAlain Ducasseでも基本的に同じでした。

今回、ここを訪問しようと思ったきっかけは、
MonacoのAlain Ducasseから、
しばらくの間、DMが届いておりましたところ、
最近、来なくなったので、何となく、寂しくなって……

(^_^;)

Monte Carloという名前の、
Monacoを意識した一皿もありました。

最近のお店のサービスの状況について、
事前に、「レストラン ひらまつ 博多店」の、
槙原 大輔 Chef Sommelierから聞いていたことがあります。

自分で選んだワインを飲ませてくれないということです。
最終的には、「小さなお勧めリストのような物」から、
選ぶことになる……といったことでした。
平松 宏之 Chefでさえ、そのような扱いを受けるとのこと。

半信半疑でしたが、まさに、そのとおりでした。
私が飲みたいワインをSommelierに伝えると、
ダメ出しされました。
「あなたの選んだワインは、お料理に合わない。」
とモロに言われました。
「でも、私のお気に入りなんです。」と食い下がりました。
それでもダメでした。
何としても、
「小さなお勧めリストのような物」だけは回避したかったので、
リストから、別のワインを選びました。
「悪くはない。しかし、他のワインにもっと良い物がある。」
と言われ、自らが勧めるワインが、いかに料理に合うのか、
調理方法やソースの話を含め、具体的に、
お料理との相乗・相性について、詳しく説明されました。

m(__)m まいりました。ごもっともです。

ちなみに、最初に伝えたワインは、Volnay(赤ワイン)です。
http://www.pierre-matsuo.com/report-001.html
http://www.pierre-matsuo.com/magazine-001.html
に書きましたように、My Favoriteのワインです。
「白ワインにしましょう。」と言われましたので、
Meursaultで探りを入れたところ、
最終的に、Corton-Charlemagneになりました。

Corton-Charlemagne
Domaine Laleure-Piot 2003 [200 Euro]

サービス方法は、クーラーの中にデキャンターを入れたうえで、
デキャンタージュされました。

確かに、お料理との相性は大切なことですが、
お気に入りのワインを楽しむということも、大事にしたいもの。
ただ、ゲストが選んだワインが、
明らかに、お料理と相性が悪い組み合わせ(反発)の場合は、
Sommelierは、サゼスチョンすべきでしょう。
料理内容を理解したうえで、好みのワインを伝えるゲストもあれば、
料理内容を無視して、飲みたいアイテムを伝えるゲストもいますから。
実際、私は、Sommelierから、
「お料理の内容を確認していただけましたか?」と尋ねられました。

私は、プライベートな利用において、通常、
白ワインはオーダーしません。
合わせやすい赤ワインを、フルボトルでオーダーし、
赤ワインが合わない部分は、
最初にオーダーしたChampagneを続けます。

基本的に、私は、予約の時点で、
自らのプロフィールと、
自主研修・取材・勉強の目的での来店である旨、
レストラン側に伝えています。
名刺を渡して、恐れ多くも、
「私のWebサイトを見て下さい。」とか言っています。

本来の目的の達成という意味では、
今回、Alain Ducasseが、一番勉強になりました。
なぜか、お土産に、大きなパンまで頂戴し、大満足。
(メニューもいただきました。)

ワインの選択に関しては、
普通の感覚からしたら、強引と取られるのかもしれませんが、
決して、不愉快になるようなことではなく、
むしろ、「さすが」だと思い、感動しました。
三ッ星のプライドとでも言いましょうか……
なかなか、他店では真似ができない接客です。

当の私自身は、「良い勉強になった。」と、
納得しているから、別に構わないのですが、
さすがに、カップル客に同様の接客をするとは、
到底、考えられないのですが……
Anniversaryの際に、My Favoriteを飲ませてくれないなんてことは、
まず、有り得ないでしょう。
仮に、そうであるならば、
いくら、三ッ星とはいえ、傲慢と思われて客離れします。

実際、訪問経験のある方々の体験談を伺いますと、
どうやら、私や「ひらまつ」の関係者の体験のほうが、
レアケースであるような気がして来ました。
当然、ゲストによって、対応を変えているはずです。
ただ、「ひらまつ」の関係者や、私の体験も、
また、事実ですので、お伝えする価値があると判断いたしました。
(他のレストランでは自分で選んだワインを飲みました。)

ここに書いても、現場の雰囲気が伝わり難いとは思いますが、
少なくとも、最高のお料理に、相性の良いワインではなくて、
それ以上の、相乗するワインを組み合わせて、
存分に堪能してもらいたいとの熱意・誠意は感じました。


さて、Course Menuは2種類ありました。

MENU COLLECTION "PRINTEMPS" [300 Euro]
Trois mets "Collection" en demi, fromages et dessert

MENU "PLAISIRS DE TABLE" [200 Euro]
Trois mets "Plaisirs de Table" en demi, fromages et dessert

スペシャリテが入る、COLLECTION "PRINTEMPS"をオーダー。
はっきり言って、高過ぎです。

□ Langoustines rafraichies, nage reduite,
 caviar oscietre - bouillon parfumee -

 盛り付けが面白い一皿。
 別々にいただくも良し。スープと一緒に楽しむも良し。

□ Coquilles Saint-Jacques snackees coco/curry

 Saint-Jacquesとは帆立貝のこと。
 カレー風味とのことで、確かに黄色く見えますが、
 まろやかなココナッツが支配的で、
 帆立貝の繊細な甘みを邪魔しない仕上がりでした。

□ Legumes et fruits cuits/crus,
 marmelade tomato/truffe

 多くの食材が投入されており、
 一言では言い表せない、実に複雑な味わいでした。
 カクテルグラスに盛り付けられていましたが、
 まさに、バランスの取れたカクテルのイメージです。

□ Bar de ligne asperges vertes,
 petits pois et fevettes

 この時季、緑・白ともども、
 アスパラガスが多用される傾向があるのですが、
 この作品は、見た目にも美しいアスパラガスが印象的でした。

□ Volaille de Bresse en fricassee
 aux ecrevisses "pattes rouges"

 Sommelierが赤ワインではなくて、あえて、
 白ワインを勧めた理由は、
 このフリカッセが、メインの肉料理だったからです。
 (実際、調理にも白ワインが使用されている。)
 確かに、意外にも、あっさりとした味付けで、
 赤ワインの必要性を感じないほどでした。
 それにしても、量が多かったですね。
 カルトサイズを想像すると恐くなります。

□ Baba au rhum comme a Monte-Carlo

 どこがどう、モンテカルロなのか、よく分かりませんでしたが、
 ラム酒の風味が、よく利いていて、
 4年前に訪れた、モナコの海岸の紺碧の海に想いを馳せ、
 心地良い余韻に浸ることができました。
 写真の掲載は見送りましたが、この後に、
 大量のPetits Fours(プチ・フール/小菓子)が出て来ました。
 モナコでも、山盛りのマカロンが供されて驚いたものです。
 (どこが、プチやねん!)


Alain Ducasseの作品は、やはり、
良い意味で、「クセ」があると思います。
もちろん、「個性」と言ったほうが適切です。
オーソドックスなL'Ambroisieとは対照的。
天才・奇才としての宿命なのでしょうか。

MonacoのLe Louis XV Alain Ducasseでも、2種類のコースがあり、
「伝統的料理と創作料理のどちらにしますか?」と尋ねられ、
伝統的のほうを選びました。
ところが、およそ伝統的とは思えない内容でした。
隣国イタリアが近いこともあり、イタリアンの食材が多用されていました。
また、訪問する機会がありましたら、もう一方を試してみたいです。
精力的に多店舗展開する、
実業家としてのAlain Ducasseからも、目が離せません。
他のお店も、ぜひ訪れてみたいです。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

▼ 6. 【総括】


フランスのレストランを訪問された方々の中には、
「どこも塩辛い」との評価が散見されるのですが、
ぶっちゃけ、本場のフランス料理は、元来、そのようなものだと思います。
ただでさえ塩辛いのに、
お皿に盛った岩塩を別添えで出すところさえ……

ワインを合わせて、ちょうど良い具合になるのですが、
現地に入れば、
一般的な日本人の口に合うようにアレンジされた、
フレンチのテイストを忘れて、
意識を切り替えたほうが、より楽しめるでしょう。

L'AmbroisieのFoie grasには、大粒の塩が乗っていましたが、
塩辛いのが苦手な方は、払い除ければ済みます。
健康面で、塩分を控えたいという方は、
表面についている塩は、調整できるということもあり、
さして問題では無いでしょう。
例えば、ポテトチップスを塩辛いと感じるとして、
表面に付着した塩が、舌に直接触れるからであって、
塩分が多いというわけではありません。
むしろ、溶け込んでしまって、分かり難くなっている、
日本食の味噌汁や漬物こそが要注意。

お料理の味は、ソースの絡め方等で調整できる場合もあります。
L'Espadonでは、フランス料理の命であるソースを、
お料理の皿とは別に持って来て、
「上にかけますか? それとも、横に添えますか?」と尋ねられました。
私は、迷わず、横に添えてもらいました。
こうすると、いくらでも味を調整できますし、
ソース無しの味を確認することさえ可能です。
スタッフと目が合った際、「ソースを足しましょうか?」と言われ、
程よい量のソースを追加してくれました。

Alain Ducasseでは、お料理に、
ソースの入ったポットを添えた形でサーブされました。
ですから、最初は、控え目にソースがかかっています。
ゲストに委ねられている部分もあり、
押し付けがましいとは感じませんでした。

いずれにいたしましても、ソースがかかっていないお料理、
つまり、ソースが敷いてあるお料理は、味の調節の幅が広くなりますね。
塩辛いというのは、もちろん、ソースに起因しない部分、
つまり、下味の段階を含むわけですが、これはどうにもなりません。

日本における、フレンチ風懐石料理といったものと、
本場のフランス料理は、当然、分けて考える必要があります。
もう、割り切るしかないでしょう。
フランス料理の伝統は、そう簡単には変わらない気がしますし、
変わって欲しくない気がします。


おかげさまで、貴重な経験をさせていただき、この、ピエール松尾、
一回りも、二回りも、スケールアップして……
ついでに、体重も若干増加して、凱旋?帰国いたしました。

今後に、乞うご期待!


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


 Les Caves Pierre Matsuo(レ・カーヴ・ピエール松尾) 代表
 Salon de Pierre Matsuo(ピエール松尾のワインサロン) 主宰

*************************************************************

●●●● Pierre Matsuo
●●● URL: http://www.pierre-matsuo.com/
●● E-Mail:
● ANSA Sommelier 呼称資格認定 No.1795 (FBO会員 No.20025)

*************************************************************