----- Original Message -----
Sent: Monday, August 09, 2004 11:00 PM
Subject: ♪ ワイン&グルメの基本


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--┳ξ ♪[Aug/09/Mon/2004] 【Les Caves Pierre Matsuo】 (不定期刊)
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●●● 豊かな食文化の未来を切り開く 『ピエール松尾のE-Mail Magazine』
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--●-- [特定多数 Food & Beverage 関係者宛配信]

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残暑お見舞い申し上げます。


▼ 【ワイン&グルメの基本】


※ HTML版をHome Pageに掲載いたしております。

 【 ♪ Salon de Pierre Matsuo - ピエール松尾のワインサロン 】

 URL: http://www.pierre-matsuo.com

     → http://www.pierre-matsuo.com/foundation.html


私が、世の中で最も嫌いな物は「タバコ」です。
個人的には、この世にタバコが存在すること自体、理解に苦しみます。
常日頃、いわゆる、嫌煙運動家として活動しています。
どんなに素晴らしいワイン・お料理であっても、
タバコの煙の影響を受けると、台無しになってしまいます。
生産者・料理人・食材に対して、これほど失礼なことはありません。
ワイン&グルメを堪能するためには、受動喫煙が発生しない空間、
つまり、紫煙の被害を受けない空間で飲食することが、前提条件になります。


1. タバコは個人の嗜好品

私の周囲には、マナーをわきまえた、喫煙者の友人・知人がおり、
別に、その人達が、タバコを吸うということ自体について、
ここで、とやかく言うつもりは、毛頭ありません。

優秀なSommelierの中にも、喫煙者が存在しますが、
味覚や嗅覚が鈍るという、身体的なハンディは有るものの、
あくまでも、自己責任の範囲であり、
通常業務に支障が出なければ、特に問題無いでしょう。
ただし、休憩時間の喫煙行為の影響が、
制服や吐息等から感じ取れるようであれば失格です。
また、Sommelierを始め、レストランの従業員は、サーブの際に手元に注目されるため、
喫煙習慣による、指や爪の変色にも、気をつけたほうが良いでしょう。

意外に、喫煙者の方々は、タバコの煙が、お料理を台無しにして、
特に、大変、デリケートな、ワインのテイストを壊すということを、
よく、理解されているものです。味覚や嗅覚が鈍ることも。

「タバコは個人の嗜好品」です。
だから、自らの責任において、喫煙に及ぶことは、特に、問題無いのです。
公共性の高い施設以外の、プライベートな空間では、
いくら、吸っていただいても、いっこうに、構わないわけです。
問題なのは、「公共の利益と個人の嗜好は相容れない」ということ。
つまり、「公共の場所においては非喫煙者と喫煙者とは共存不可能」ということ。
吸わない人と、吸う人とは、(屋内の)同一空間では、
同時には、存在し得ないということ。これが、世界(欧米)の常識、日本の非常識。
受動喫煙被害者の救済が急務です。

パーティ等の際、乾杯に使用される等、特に、ワインには公の性格があるものの、
酒類全般も、また、嗜好品であることには変わりありません。
よく、「酒もタバコも……」と言いますので、
以下に、お酒の場合とも比較しつつ、記します。


2. 公共スペースにおける公共の利益に反する喫煙行為

喫煙は自己責任で行うものですし、
私は、喫煙者の健康状態を気遣う気持ちは、微塵もありません。
喫煙習慣のある方が、味覚・嗅覚が鈍ったり、酷い歯周病になったり、
ガン・脳梗塞・心筋梗塞を発症する等、健康上、いかなる問題を抱えようとも、
さらに、自ら寿命を縮めることになろうとも、
正直申し上げて、知ったことではありません。
病院(禁煙外来)を訪れるも、喫煙習慣を続行するも、本人の自由です。
家族(身内)等以外が干渉する類ではなく、
部外者が、わざわざ心配する必要はありません。

しかしながら、喫煙行為は、自宅・自室等のプライベートな空間はともかく、
公共スペースにおいては、周囲に影響を与えず行うことは、非常に困難です。
喫煙者が、副流煙も含めて、発生する煙を全て吸い込むことは、
人体の構造上、無理です。
私は、以前、喫煙者に対して、
「ビニール袋やフルフェイス・ヘルメットを被った状態で、
自分の出す煙を余すところ無く吸い込んではどうか?」と提案したことがありますが、
全部吸い込みたいというわけではないらしく、
また、実質的(物理的)に不可能だと言われました。

レストランは、不特定多数の方々が、ワイン(お酒)やお料理を楽しむ、
公共性の高い空間であって、決して、喫煙室ではありません。
私は、レストランで、じっくりワインとお料理を堪能したいのですが、
充満する紫煙は、香り・味・雰囲気……全てを破壊してしまいます。
タバコの煙の影響を受けるスペースでは、
せっかくの素晴らしい、ワインもお料理も、不味くなってしまいます。
お食事をする場所でさえ、タバコを手放さないような喫煙者は、
公共性が欠落していると、言わざるを得ません。

「コース料理においては、デザートが終わった後、同席者の同意を得て……」
といった、マナーの本の記述を、自分勝手に解釈して、
どんな状況であっても、食後の一服をする喫煙者があります。
周囲のテーブルに、これからコースに入るグループが居ても、
お構い無しの無粋者を見るにつけ、心の中で、「早く帰れ!」と叫んでしまいます。

私の本業は、職業分類上で言いますと、自由業ということになります。
事業所として、土地・建物を有しており、代表者の立場にあります。
公共性が高いとの判断から、代表者の権限により、
当然のことながら、敷地内の土地・建物を、全面禁煙で運営しております。
全館、(駐車場を含め)至る所に禁煙の表示を行い、灰皿は1つも存在しません。
また、喫煙者を従業員に採用することも、絶対にありません。

しかしながら、誠に残念なことに、敷地内にタバコの吸い殻が絶えません。
食器を勝手に灰皿の代わりに使う、
トイレの個室に隠れて喫煙したため火災報知機が作動する、
吸い殻の投げ入れのため排水溝が詰まる、服や床材を焦がされる……

全館禁煙の場所でさえ、吸わずにはいられない喫煙者は、公共性は皆無です。
強引に喫煙行為を続行する人には、帰っていただいております。
当方の事業所では、そうした方々とはお付き合いする必要は無いと考えており、
仮に、離れられたとしても、致し方無いことです。

「喫煙者は納税者である。」と、詰め寄られたこともあります。
でも、喫煙に関する諸問題に充てる資金は、税収を大きく上回っており、
タバコが出火原因の火災による損失も甚大です。
何より、数多くの尊い人命が失われており、もはや、取り返しがつきません。
マナーを守れない喫煙者の不適切な行為は、
公共の利益を損なう次元に留まらず、反社会的行為でさえあります。

タバコ税を納税しているからといって、
周囲の人達に迷惑をかけても構わないということには、決してなりません。
もちろん、飲酒マナーが守れない酒税納税者も同じことです。


3. スモーク・ハラスメント

アルコール・ハラスメント(飲酒の強要)を挙げると、解り易いと思います。
「俺の酒が飲めないのか!」と絡んだり、イッキ飲みを強要することは、
相手に肉体的・精神的な苦痛を与え、重大な人権侵害に当たります。

レストラン等の飲食施設において、
タバコの煙を、強制的に、吸わされるということは、
いわば、お酒が飲めない人(下戸)が居るテーブルに、
隣のテーブルの、見ず知らずの泥酔者が、「俺の酒が飲めないのか!」と、
絡んで来て、飲めない人に、無理矢理、口を開けさせて、
強引に、お酒を飲ませるようなものです。
お酒の場合は、まだ、断ることによって回避できますが、
タバコの煙の場合は、防ぎようがありません。不条理極まりない話。

私を始め、多くの非喫煙者は、主流煙・副流煙の有害物質云々以前の問題で、
タバコの煙によって、目や喉が痛んだり、セキが出たり、
気分が悪くなったり、頭痛がしたり、嘔吐したり……と、直ちに実害が生じます。

酔っぱらいに絡まれたり、酒臭い吐息を吹きかけられたり、
嘔吐物で汚されたりすることを、誰しも、不愉快に感じるでしょう。
タバコの煙の場合は、主流煙として喫煙者が一旦吸い込んだ煙が、
当人の口や鼻から吐き出され、さらに、より有害な副流煙と共に襲来します。

一度吸い込んだ物を、(クサイ)口臭と一緒に吹き出す有様は、
はっきり言って「不潔」ですし、
周囲の人達に、(無意識のうちに)そうした物を吸わせてしまうことは、
「恥ずかしい」ことだと思います。
身体の中から出されるという意味で、「オナラ」や「ゲップ」と大差有りません。
紫煙たなびく空間は、単なる汚染空間であって、
ワインやグルメを楽しむ場所(寛ぎと安らぎの空間)とは言えず、
もはや、レストランの名に値しません。

公共の場における迷惑な喫煙行為は、何と格好悪いことなのでしょう。
プライベート・スペースであれば、いっこうに構いませんが、
パブリック・スペースにおいては、必ず、周囲に迷惑がかかります。
いかなるスタイルやポリシーであれ、
平気で周囲に迷惑をかける自分勝手な人が、格好良いはずがありません。

喫煙者の中には、自分の出す煙は構わないが、
他人の出す煙は吸いたくないと思っている人達が、少なくありません。
どうやら、タバコは、皆で分かち合うものではなくて、
純粋に、各々の個人の習慣(習性)であるようです。

あえて、強い表現をいたしますが、
「公共の場での喫煙行為は、公開のマスターベーション(自慰行為)」に感じます。
自分だけが気持ち良くて、パートナーや周囲の人々と分かち合うことが不可能で、
他の人にとっては、何の慰め・癒やしにもならず、
むしろ、周囲の不特定多数の人々を不愉快にさせて……
どこまで行っても、自分だけの世界、自己完結の世界です。
喫煙者が何人集まろうとも、それぞれが、個別のプライベートな行為ですから、
本来、人前で堂々と行うことでは無いのです。あまりにも、恥ずかし過ぎます。

セクシャル・ハラスメントと同様、スモーク・ハラスメントもまた、
被害者と加害者との間に、相当の認識のズレが有ることが否めません。
一方的な被害者であるところの非喫煙者におきましては、
公共のマナーの欠落した、一方的な加害者であるところの喫煙者に対して、
強い姿勢で立ち向かうことが望まれます。


4. 「タバコを吸わない人」が基準

あくまでも、「タバコを吸わない人」が普通・標準で、
「タバコを吸う人」が特殊・特別だということです。
ですから、非喫煙者に喫煙者が合わせることは有っても、その逆は有り得ません。

単に、喫煙者のマナー(モラル)の問題であるならば、
レストランのような公共性の高い施設においては、
喫煙者の意識の向上によって、充分、解決の余地が有ります。
でも、程度の差こそあれ、ニコチン中毒(依存)による禁断症状で、
いかなる場所においても、タバコが手放せないというのであれば、
どんなに、公共性を説いても、最初から無理な話です。
禁煙治療を優先したほうが無難でしょう。

喫煙は極めて私的な行為ですから、
自宅(自室)といった、プライベートな空間で行う分には、問題ありません。
とは言え、多くの社会人が、公共の空間に出向いて仕事をしているため、
通勤途中の駅・電車・バス等での公共交通での喫煙行為が、
厳しく制限されている現状を考えますと、吸えるのは、実質、自宅だけです。
自宅だけで吸えば良いのですが、禁断症状が出て、間がもたないため、
終日、自宅(自室)で過ごすライフスタイルの人以外は、
公共の場で、喫煙行為に及ぶことになります。

街には、あらゆる公共の場から締め出された、
マナー意識の低い、哀れな喫煙者が、歩きタバコをしながら溢れています。
私は、服を焦がされたことや、灰で汚された経験があります。
自分の振り回している、子供の目線にあるタバコの火が、
子供の目に当たって、失明させるといった悲惨な事故でも起こらない限り、
自らの反社会的行為に、気付いてもらえないのかもしれません。
社会人として、人間として、如何なものでしょうか。

こうした喫煙習慣は、仕事をしていく上でも障害になります。
全席禁煙席の長距離国際線で、頻繁に往復しなければならない、
欧米の駐在員の辞令が出た場合、厳しいものがあるでしょう。
特にアメリカ在住ともなれば、日常生活の上でも、非常に不利になります。
あるいは、アメリカ駐在を希望していたとしても、
喫煙者との理由で却下される可能性は、充分にあります。

ニコチンは、麻薬に匹敵する依存性・習慣性・常習性の高い危険なドラッグで、
一度、依存体質に陥ってしまった場合、元に戻すのが大変のようです。
タバコは、他にも、発ガン性物質等の有害物質の宝庫です。
紫煙を拒絶する体質のほうが、明らかに健全です。
有害物質を摂取し続けないことには落ち着かない、中毒患者(病人)に対して、
健康な非喫煙者が遠慮する必要は、全くありません。
身体に毒物を取り込んで、肺から脳へ刺激を送らないと過ごせない人ではなくて、
そうした行為無しで過ごしている人が、普通の人(基準)です。

タバコを吸い続けるということは、一種の自虐(自傷)行為だと言えます。
もちろん、過剰なアルコール摂取も同様です。
喫煙者や、お酒を飲み過ぎる方々が、ハイリスク・グループだということで、
健康保険料・生命保険料等が割高に設定されたとして、
自己判断で行っている行為ですので、至極当然のことだと考えます。
割高が嫌ならば、不健康な行為を止めれば済むというだけの話です。

でも、健全な習慣を守っている人に、タバコの煙を吸わせたり、
深酒を強要したりして、共倒れすることは、迷惑この上無い話であって、
決して許されることではありません。


5. かつての喫煙大国フランスの例

私は、2003年4月に、
☆☆☆ Restaurant Paul Bocuse(ポール・ボキューズ)を訪れました。

欧州が、圧倒的に優れていて、
日本が、圧倒的に劣っていること、と言いますより、
世界の趨勢(スウセイ)の中で、唯一、
日本だけが、取り残されている問題があります。

Paul Bocuseの客席テーブルには、灰皿が、一つもありません。
もちろん、喫煙している方は、誰一人として、いらっしゃいません。
言うまでもなく、全席禁煙だからです。

Paul Bocuseが、Michelin(ミシュラン)の三ツ星レストランで、
天下の、Paul Bocuse Chefに、紫煙を吹きかけることになるので、
失礼であると考えて、お客様が遠慮しているわけではありません。
名店なので、お食事のマナーをわきまえた、選ばれたGuestばかりが、
集っているというわけでもありません。
France(フランス)の、こうしたRestaurantは、
実質的に、全席禁煙席(Non Fumeurs/ノン・フュムール)だからです。

フランスでは、屋根付き、つまり、屋内の公共空間は禁煙であるため、
喫煙をすることも可能な席は、Cafe(カフェ)等の屋外(野外)席に限られます。
ですから、高級Restaurantのみならず、
例えば、McDonald's(マクドナルド)のような、ファーストフード店に至るまで、
店内は、全席禁煙で、それでも、どうしても喫煙したい人は、
外に出なくてはなりません。

よく、「欧米」と、ひとまとめに言いますが、
規模の大小に関わらず、Restaurant & Barが全席禁煙である、
New Yorkを擁する、アメリカ合衆国を筆頭に、
カナダ・オーストラリア・シンガポール……
こうした国々と比較いたしますと、禁煙事情につきましては、
欧州の国々は、発展途上国です。

特に、フランスは喫煙大国と言われて、久しいです。
その、フランスでさえ、原則として、「公共の場所が禁煙」ということは、
その他の、EU加盟国の状況も、推して知るべしでしょう。

Europeからの帰路は、まだ、良いのです。
私が利用するのは、日本のCarrier(キャリア/航空会社)ではありますが……
当然のことながら、全席禁煙です。
気密性の高い、旅客機のCabin(キャビン)の空気(酸素)は、
極めて貴重なもので、空調システムの関係上、
タバコの煙を除去するためのフィルターに、物凄い負荷(負担)がかかって……
安全運行の観点からも、全席禁煙は必要不可欠です。

空港ターミナルにおいて、
ガラスのバリアや、エアカーテンで隔離された、狭い空間で、
(特に出発前に)名残惜しそうに喫煙に及んでいる姿は、哀れに映ります。
「この線から出ないで下さい。」なんて表示を見るにつけ、
情けなく思います。あまりに、格好悪過ぎます。

世界でも、極めて、まれな、禁煙発展途上国(喫煙大国)の日本に、
帰国した途端、よどんだ空気に、息苦しくさえ、感じますね。
変な話だと思いますが、日本の、決して少なくない、
高級とされる、Hotel/RestaurantのHallは、
全席禁煙であるところの旅客機内、あるいは、
吉野家(牛丼)・カレーハウス CoCo壱番屋……等々よりも、
店内の空気が悪いということになりますね。ホントに、おかしな話……
店内全席禁煙のSTARBUCKS COFFEEは、
お店の出入りの際に、屋外の、煙たい喫煙席を通過する必要がありますが、
香り高いコーヒーを楽しむ環境としては、一般的なHotelのCafeより上です。

欧米人にとって、日本は、
衛生状態が良く、清潔な国だという印象だそうですが、
Hotel/Restaurantの空調装置の吸気口・天井・壁……
等々が、タバコのヤニのせいで、汚れているのを見るにつけ、
決してそうではないということを、痛感させられます。
食器を灰皿代わりに使う人もあります。はっきり言って、不潔。


6. 日本のレストランの悪い例

Hotel館内・町場を問わず、世間で、一流とされているRestaurantが、
まだ、全席禁煙になっていないということは、ともかくとしても……

□ さすがに、最初からは、灰皿を、テーブルに置きはしないものの、
 お客様から所望されれば、すぐ出して来て、どこでも喫煙可能な席になる。
 本来、灰皿を置いていないということは、禁煙だと認識するのが当たり前/常識。

□ 形だけ禁煙席を設けてはいるが、エア・カーテンやフィルター等、
 空調(換気・集煙)装置の不備で、分煙がされておらず、紫煙が充満する。

□ 一流の料理人が丹精込めて、作り上げた作品(お料理)を前に、
 片手に持ったままのタバコを、フォーク&ナイフ、あるいは、箸と、
 (料理の合間に)交互に口に運ぶ、チェーン・スモーカーの存在。

□ 自分の幼い子供と同じテーブルで、喫煙する、無頓着な親。
 隣のテーブルの、小さなお子様連れのお客様や妊婦の傍で、
 平気で、喫煙する、無神経なGuest。

□ カウンター席(オープンキッチン)で、対面している、料理人に向かって、
 タバコの煙を吹き付けるGuest。狭いカウンターに、紫煙がたなびく。
 調理中の食材や、お料理にも、煙がかかる。調理場で喫煙するとは言語道断。

誠に、残念なことに、少なくない数の、日本のHotel/Restaurantは、
公共の場所ということでは、なさそうですね。
不特定多数の方々が、利用されているにも関わらず……

仮に、ワインの微妙なテイストを、比較して、楽しんだりする際に、
非喫煙者の側が、紫煙の害から逃れるために、
個室(Private Dining)や、Small Ballroom(Banquet/宴会場)を、
貸切にしないといけないとしたら、本当に、変な話です。
Hall(一般席)のほうが、より、公共性が高いからです。
喫煙者の側が、プライベートな空間に、入らなければなりませんね。
タバコは、あくまでも、個人の嗜好品であって、
充満した紫煙を、公共の場で、皆で共有して、
仲良く楽しむものでは、決してありません。

もしかしたら、ワインの香りが嫌いで、料理のテイストを損ねるため、
同じテーブル、もしくは、至近のテーブルで、
ワインを抜栓して欲しくないと思っている方も、いらっしゃるかもしれません。
ただ、洋食、特にフランス料理の場合、
ソース等の材料等として、ワインが用いられることが多く、
むしろ、ワインの香りから逃れようとすることのほうが、不自然です。

でも、隣のテーブルの方々から、ワインの香りが邪魔だと言われたとしたら、
私は、ワインの抜栓を思い留まる用意があります。
今まで一度も言われたことは無く、今後も、可能性は低いとは思いますが……
タバコの煙で、スモーク・サーモンを作ったなんて話は聞いたことは、当然無く、
いずれにいたしましても、喫煙行為は、ワイン&グルメとは、相容れないものです。

私は、日本国内の、Hilton Hotelに、Stayしていたことがあります。
当然のことながら、禁煙フロアーが存在していました。
HotelのManagerが、
「Guest Room内の、壁・天井・カーテン・カーペット・窓ガラス……と、
客室の汚れ具合が、全く違います。維持管理コストに差が出ます。」
といったような話をしてくれました。これが、1990年頃の話。

遅ればせながら、日本資本のHotelが、これに追随したとして、
アメリカは、もっと、その先に、行ってしまいました。
客室が、禁煙になれば、煙やヤニに敏感な、非喫煙者は、
今まで以上に、館内のRestaurant & Barのことが、気懸かりになるでしょう。
非喫煙者よりも、余分に、清掃コストがかさむ喫煙者から、
Smoking Charge(喫煙料金)を徴収しようなんて話が、出る前に、
我が国、日本も、欧米に追随することは、間違いありません。
つまり、いずれは、公共の場所が、全面的に禁煙になるということです。


7. 健康増進法の施行

皆様方、ご存知のとおり、2003年8月2日(Fri)に公布された『健康増進法』が、
同年5月1日(Thu)より施行されました。

 第五章 特定給食施設等 / 第二節 受動喫煙の防止 / 第二十五条

 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、
 官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、
 これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、
 他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために
 必要な措置を講ずるように努めなければならない。

Chef(料理長)が、「安全な食」にこだわって、食材を厳選し、
安全な調理法でもって、健康志向の、素晴らしいお料理を供したとしても、
タバコの煙で汚染された店内で、
主流煙よりも有害な、副流煙を吸わされてしまうようであれば、
「安全な食」が、聞いて、あきれますよね。かえって、不健康になる。

『健康増進法』の施行を受けて、Hotel/Restaurant等の事業者は、
「どこを向いて事業を展開するのか」その体質が、厳しく問われます。
短期的な(目先の)売上を憂慮するあまり、趨勢に逆行して、
公共の場所で喫煙する喫煙者に、媚びるのか、
中長期的な展望で、非喫煙者・公共のマナーをわきまえた喫煙者・
他人の煙を吸いたくない喫煙者に、配慮するのか。

Hotel/Restaurantは、今後、変わっていくはずですし、変わる必要があります。
条例よりも重たい、法律であるところの『健康増進法』に関しては、
私自身、その推移を、見守ることのみならず、
違反した事業者の、関係省庁・関連団体・各種メディアへの告発等を行い、
不退転の決意でもって糾弾し、積極的に、アクションを起こす所存です。

日本は、『健康増進法』が、ようやく施行されたばかりの、禁煙発展途上国。
現在は、事業者に対する罰則規定がなく、努力目標規定であるため、
かえって、企業の姿勢の違いが、浮き彫りになり、
世間が、健康意識に対する企業の体質を、問うことになりますね。

嫌煙運動家である私は、今後、
事業者の免許取り消しや、事業停止処分等の罰則の追加を求め、
さらなる運動を、展開してまいる所存です。

 ※ 法律の全文 (RONの六法全書 on LINE)
   URL: http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm


8. ホテルが運営するレストランの諸問題

独立した、(町場の)レストラン等の飲食店は、客層がある程度限定されたり、
オーナー(経営者)の意向が、運営に反映され易いということもあり、
ホテルレストランと比較すると、
嫌煙・禁煙への取り組みが、推進し易いという点があるでしょう。

不特定多数のお客様がご利用になるという意味で、
より公共性の高いホテルは、禁煙フロアーを設ける等の策を講じておりますが、
直営レストランでの対策が立ち遅れており、
宿泊部門との乖離現象が、顕著になって来た面は否めません。

病院・学校・役所・デパート・大型商用施設・(町場の)新規開店レストラン……等々が、
全面禁煙、あるいは、ごく限られた喫煙場所の設定になっているのに対し、
多くのホテルレストランが、最も劣悪な環境であるのは、残念で仕方がありません。
ホテルでは、館内を、歩きタバコで移動している人を見かけますが、
デパート等の商用施設では、見かけることはありません。
ホテルレストランのエントランスでは、歩きタバコで出入りする人がありますし、
キャッシャーで精算時、タバコに点火する人もあります。

ホテルの従業員は、灰皿を差し出すだけで、注意しないことが多いようです。
館内の防災・衛生・他のお客様への迷惑よりも、
公共の場所でのマナーが守れない喫煙者の、機嫌を損ねないことが優先されるようです。
所構わずタバコをふかす喫煙者が集うホテル、そうした客層を野放しにしているホテルには、
防災(防火)意識・態勢に問題があるため、宿泊しないほうが無難かもしれません。
客室内での寝タバコによって、火災が発生しなければよいのですが……

「灰皿が設置されていない場所は禁煙空間と認識する」が世界の常識ですが、
日本のホテルには、この常識が通用しません。
どんな場所でタバコに点火しようとも、すぐに灰皿が提供されます。
それどころか、手元のタバコが切れると、従業員がお客様から小銭を預かって、
タバコを買いに走って、喫煙行為継続の手助けまでしてくれます。
(タバコは限定的な個人の嗜好品なので、本来、常備・調達は自己責任。)
また、マナーをわきまえない喫煙者にとっては、
携帯灰皿は、どこでも喫煙可能な場所にするためのアイテムとの認識のようです。

もちろん、一部のレストランを全面禁煙の運営にしているホテルも存在します。
ただ、各々の料飲施設が、独立採算ではないホテルが大半であり、
組織全体で、統一の取れた運営を行うことについては、
組織の大きさが、災いしているような気がします。

私は、レストランにおいて、長年、取材活動を続けてまいりましたが、
ワイン&グルメを堪能する際、最悪の環境なのは、
和食部門(日本料理レストラン)であると言えます。

フォーク&ナイフに比べて、お箸の場合は両手がふさがることが無いため、
(料理の合間に)交互に口に運ぶ、チェーン・スモーカーの存在が、特に目に付きます。
私は、いつも、周囲のお客様の様子と従業員の接客を観察しています。
常に、右手にお箸、左手にタバコという人が、実際、居ました。
接待利用も多く、飲酒と喫煙に終始して、
お料理にほとんど手を付けずに残してしまう人達も、多数、確認できました。
料理人に対しても甚だ失礼な話で、レストランを使う必然性は有りません。

天麩羅カウンターで、料理人や周囲のお客様への迷惑も省みず、
延々と喫煙を続ける人もありました。
(寿司カウンターでも同様の経験があります。)
カウンター席は、同時に調理場でもありますから、もってのほかです。
およそ、お料理を愛する気持ちがあるとは思えません。

小さな子供の、すぐ隣で、紫煙をくゆらせ続ける親が居ました。
私は、その親の隣の席に着いていましたが、不愉快極まり無く、
何度も、中座する破目に陥りました。
二度と、このカウンターの前に座りたいとは思いません。
おそらく、自宅の食卓でも、同じ光景なのでしょう。
子供の健康被害もさることながら、この親の姿を見て育った子供が、
将来、同じ過ちを繰り返し続けることが懸念されます。

洋食部門と比べると、ワイン文化への理解が、StaffとGuest共に乏しく、
ワインの香りを台無しにすることに、無頓着な人が多いようです。
酒類の提供もワインではなく、当然、日本酒・焼酎・ビールが中心になりますから、
居酒屋感覚での利用が、少なくないという印象を持っています。

以前、あるホテルレストランの和食部門の責任者から、お客様が入店の際に、
「おタバコを吸われますか?」といった、喫煙行為の有無を尋ねることは、
お客様を傷付ける(お客様が入店早々に気分を害する)ため、
予め、喫煙者・非喫煙者を分けたアサインは不可能といったことを、
言われたことがあります。
また、たとえ、周囲のお客様に多大な迷惑が及ぶ、目に余る喫煙行為であっても、
お客様(顧客)を失う恐れがあるため、注意(指摘)ができないとのことでした。

そのため、最悪の場合、至近のテーブルに、
お箸よりも、タバコを口に運ぶ回数の多い、
ヘビー・スモーカーが、アサインされてしまうことがあり、
大切なワインを持って、退席せざるを得なかったこともあります。
この和食レストランは、
ワイン愛好家を傷付ける(ワイン愛好家が気分を害する)ことについては、
かなり鈍感だと言えます。

また、私が、よく利用していたホテル直営の日本料理レストランに、
Anniversaryに関わる、ワインの事前オーダーを、
何度も反故にした従業員が、以前、在籍していました。
私は当然、抗議しましたが、反応が鈍く、問題の認識が甘いと感じました。
ワインが重要な位置を占める、フランス料理店では、有り得ないことです。
プロ意識と緊張感に欠け、接客態度が最悪で、料飲サービス不適格者だったと思います。
どうしても、和食部門は、ワインの提供に関しての意識レベルが低くなりがちで、
最初から、過度の期待はしないほうが、無難なのかもしれません。

さらに、ある和食レストランでは、
料理長が、お客様との歓談の席(店内の客席)で、喫煙していました。
私は、この光景を見て、
「タバコを吸いながら料理しているのかも……」と感じましたが、
いずれにいたしましても、不用意と言いますか、
配慮が欠けていると感じました。
「肝心・要の煮方が、味覚・嗅覚の鈍った喫煙者かも……」と、
一旦、疑い出したらキリが無く、
先入観のためか、味が濃く感じられるようになってしまいました。
残念ながら、このお店には、二度と伺うことはありません。

私は、いわゆる、
ジバラン(自腹覆面レストランガイド)と、多少の関わりが有ります。
(参考: http://www.jibaran.com/ )
そうしたガイド等の記事にも、料理長(料理人)の喫煙行為を目撃したため、
利用を断念したといったものが掲載されています。
料理長の個人的嗜好は、全く問題無いのですが、
自店の客席(公共の場)で行うことは、無神経と言わざるを得ません。
実際、数多くのお客様を失っており、厳に慎むべきでしょう。


9. 問題レストランに対するアクション

仮に、二度と利用しないと心に誓ったとしても、
サイレント(無言)で立ち去ってしまうと、レストラン側に真意が伝わらず、
今後、ご利用になるお客様に対しても、不利益が生じます。
スモーク・ハラスメントへの取り組み(認識)が不充分なレストランは、
決まって、サービスレベルが低く、問題自体に気付いていないことが多いものです。

できるだけ、コメントを残していただきたく思います。
Guestの立場ならではの視点があり、
運営者の視点では見落としがちな重要なポイントに気付いてもらう、
絶好の機会になることもあります。

レストランは、お客様にサイレントで去られることを恐れています。
理由も理解できないままに離れられてしまうと、単にマイナスでしかありません。
多くの場合、建設的な意見は尊重されます。
貴重なクレームによって、マーケティング・運営方針等の見直しが行われ、
さらには、大きなビジネスチャンスになることさえあります。
「クレームはラブレター」・「クレームは宝」と言われる所以です。
実際、問題が改善された場合、
また利用したいと考えている人達が、(私も含めて)少なくありません。

私の場合は、必ず、口頭、もしくは文書にて、
お店側にコメントを伝えることにしています。
ただ、それだけでは、充分ではありません。

ホテル直営レストランの場合は、独立した一般のレストランと比較して、
喫煙者問題への認識が、極めて低いと言わざるを得ません。
ホテルは、宴会部門・宿泊部門等と相まって、総合的な売上・利益を上げており、
料飲部門、あるいは、特定の直営レストランの業績不振が、目立ち難い仕組みです。
総合的な施設であるため、単独で予約が確保できなくても、
宿泊者の利用・ミールクーポン(食事券)の利用・Walk-in(飛び込み客)と、
町場に比べると、集客が有利だと言えます。
それだけに、緊張感・危機感が欠けていると感じることも多いのです。

語弊があってはいけませんが、最も効果的なのは、
「問題レストランに、売上に関して、大きな損害を与えること」です。
もちろん、不当な営業妨害等であるはずも無く、あくまでも正当な行為です。

まず、自らが利用を控えることによって、私からの売上は、当然、ゼロになります。
さらに、非喫煙者で、当方と価値観を同じくする、会食相手等に、
喫煙者問題への取り組みの問題点を訴え、合意があれば、行動を共にし、
家族・友人・知人等にも、問題店を利用しないよう促します。
また、当該店の顧客やリピーターに対して、正当なアプローチを行います。
インターネット等のメディアも駆使して、問題点を公表し、広く訴えます。
当局・業界団体・マスコミ等にもタレ込みます。
当然、誹謗中傷に当たらないよう、事実のみを伝えるように、充分、注意します。
スモーク・ハラスメントに鈍感な店舗は、サービスに対する意識レベルが低く、
他にも必ず問題点を抱えていますので、その点も広く訴えます。
そして、同じジャンルやエリアで競合している、優良他店を利用します。

何よりも大切なのは、「喫煙問題への取り組みが不適切であるがために、
非喫煙者のお客様を逃した分の売上が大幅に減少している。」ということを、
責任者(経営者)に、認識してもらうことです。
お店の運営形態に反感を覚える意思の伝達が、不充分であった場合、
減少した売上分を、公共のマナーを守れない喫煙者から得ようとするため、
迷惑行為が野放しにされ、返って、逆効果になってしまいます。

実のところ、私の場合、スモーク・ハラスメント対策の不徹底のために、
使えなくなってしまったお店が、あまりにも多く、
行動範囲が狭くなってしまい、正直、少々、困っています。
ただ、『健康増進法』の施行以来、改善されたレストランも多数有り、
徐々に、馴染みのお店に戻ることができていることは、嬉しい限りです。


10. 優良レストランの一例

私は、「レストラン ひらまつ (博多店)」を利用させていただく機会が多いのですが、
一番の理由は、
「安心して、ワイン&グルメを堪能できる環境が整っている」からです。

「Main Dining(ホール席)が全席禁煙」であるため、安心できるのですが、
本来、至極当然のことです。
ですから、周辺を始め、喫煙者対策が不適切なレストランを利用する、
積極的な理由は見当たらず、多くのホテルレストランは、利用価値が全く有りません。

以前、広尾店において、パーティ(イベント)が催される際、
ご案内に、「全席禁煙」の旨が記されていたり、
博多店でのパーティ会場において、「全席禁煙」の旨、
アナウンスが有ったりもしましたが、ここのところ、
あまり、見かけませんし、耳にすることも無いような気がします。

ことさら、「全席禁煙」を言わなくても、
会場(サロン)内で喫煙行為に及ぶ、無礼(無粋)なお客様は皆無です。
ワインが好きな方々が多いこともあり、心配無用のようです。
ワインの試飲会・ワイン会・カクテルコンペティション等で、
会場内禁煙は当たり前のことですし……

誠に遺憾なことですが、「レストラン ひらまつ」を始めとする優良店のレベルに、
多くのホテル直営レストランが追い付くことは、当面、無理のようです。
実は、私は、以前は、ホテルレストランが大好きで、よく訪れていました。
でも、不本意ながら、喫煙者対策の遅れ等の理由により、敬遠するようになりました。
将来的には、また、戻りたいと考えていますが、
当分の間、抵抗勢力?を結集して、地道に活動する必要がありそうです。

ワイン&グルメを愛する皆様方におかれましては、
「レストラン ひらまつ」ならびに、系列店舗を、自信を持って、お奨めいたします。
特に、紫煙たなびく劣悪環境で、我慢してお食事されている方々におかれましては、
お金がもったいないとしか言いようがありません。ワインもお料理も可哀想です。
早急に、問題店を見限って、優良店をご利用になるのが得策です。
でも、問題店にも、コメントを残したうえで、去るのが賢明です。


以上、書き綴ってまいりましたが、今後、大きく情勢が変化することが予想され、
適時、改訂を行う予定です。

          [Aug.09,2004]


 Les Caves Pierre Matsuo(レ・カーヴ・ピエール松尾) 代表
 Salon de Pierre Matsuo(ピエール松尾のワインサロン) 主宰

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●●●● Pierre Matsuo
●●● URL: http://www.pierre-matsuo.com
●● E-Mail:
● ANSA Sommelier 呼称資格認定 No.1795 (FBO会員 No.20025)

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