
[Dec.24,2005]
シガー(たばこ)アドバイザーについて

私、ピエール松尾は、当サイトのトップページや、プロフィールにありますとおり、
全日本ソムリエ連盟(ANSA / All Nippon Sommelier Association)
という団体に所属しております。ANSAを統括しているのが、
料飲専門家団体連合会(FBO / Food & Beverage Specialists Organization)です。
FBOが統括する団体は、(利き酒師を認定する)
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI / Sake Service Institute)を始めとして、
焼酎・ビール・コーヒー・紅茶・チーズ等関連の、各種団体があります。
FBOは、その名のとおり、料理・飲料に関する総合的な包括団体です。
ところで、女優の 川島 なお美 さん の、
オフィシャルサイト(Club Naomist)のプロフィールの箇所に、
受賞&資格として、「全日本ソムリエ連盟認定 シガーアドバイザー」とあり、
私の活動との兼ね合いについて、疑問をお感じの方もいらっしゃるようです。
Cigar(シガー/葉巻タバコ)やパイプについても、触れる必要があるように思われましたので、
この際、ここに書かせていただきます。
私のサイトでは、喫煙者本人の「能動喫煙」の問題ではなくて、
周囲の人達に悪影響を与える「受動喫煙」の問題を取り扱っています。
喫煙者本人がタバコから、いかなる影響を受けようとも、知ったことではありません。
私に限らず、多くの非喫煙者が「受動喫煙」を意識している理由は、
健康に与える影響云々以前の問題で、臭くて汚いために、「迷惑」・「不快」だからです。
喫煙者の立場から、「迷惑なはずはないだろう」・「不快なはずはないだろう」と思ったとしても、
現に、多くの被害者がそう感じているのですから、「迷惑」・「不快」なのです。
ヤニで壁が黄色く変色してしまっているような、汚い家で暮らしている喫煙者の中には、
飲食店内のタバコ臭さに鈍感な人が少なくありません。
煙で白く霞むような、劣悪な空気の中で、平気で、喫煙しながら食事をする人がいますが、
自らの身体や服に、同じ臭いが染み付いているため、気にならないのでしょう。
口や鼻の粘膜も同様なので、味覚・嗅覚が麻痺して、
レストランの料理長が意図したものとは、異なる味に感じているわけですから、
こうした人達の「美味しかった」・「不味かった」の感想は、全くアテになりません。
「喫煙をする権利」というのは、確かに、あるとは思います。
しかしながら、それは、「迷惑喫煙行為をする権利」では、決してありません。
喫煙そのものを止めろということではありません。
自宅や自分の車の中、喫煙者だけがいる閉鎖(密閉・隔離)された空間で、
どんどん吸い続けて下さい。
要するに、(不特定多数の)人前での喫煙を止めろということです。
周囲からヒンシュクを買い、冷たい視線の中で喫煙しても楽しくないだろうと思いますが、
いっこうに気にならず、周囲への配慮無しに、
所構わず、迷惑喫煙行為に及ぶ輩は少なくありません。
周囲に全く迷惑をかけさえしなければ、喫煙者本人は、禁煙する必要などありませんが、
仮に、これから、禁煙を試みようという人には朗報があります。
従来は全額自己負担だった「禁煙治療」に対し、保険が適用される見込みになりました。
「喫煙は病気……厚生労働省は、医師による禁煙指導を治療と位置づけ、
公的医療保険の給付対象とする方針を固めた。
禁煙はこれまで個人の意志や努力の問題とみられてきたが、
ニコチン依存症という病気に対する治療ととらえて、積極的な対策に乗り出す。
欧米ではすでに、ニコチン依存症を繰り返し治療することで
完治しうる慢性疾患ととらえる動きが広がっている。」とのこと。
非喫煙者までもが、自業自得の喫煙者の治療費を負担する構図であり、
多少、引っ掛かりますが、この際、我慢しましょう。
このサイトで、「タバコ」と表記されているものは、
主に、Cigarette(シガレット/紙巻タバコ)のことを指しています。
では、シガーやパイプが、タバコではないのか、喫煙行為に当たらないのかと言いますと、
これは違います。紙巻と同様、タバコということで集約されます。
ただ、少々、性格が異なるのです。
街を歩けば、必ず、歩行(路上)喫煙者とすれ違います。
なるべく避けるようにして歩きますが、
風の影響で灰が飛散して、服が汚れてしまうことがあります。
後方から、いきなり近づいて来る自転車など、最悪です。
突然の臭気の襲来に、むせ返り、咳き込みますが、避けようがありません。
地面には、いつも、大量の吸殻が落ちています。
制服姿の中学生や高校生が、自動販売機でタバコを買っている姿を目撃します。
未成年者の彼等は悪くありません。誰でも買える自販機を設置したのは大人であり、
(顧客獲得のために)タバコ会社は未成年者に、故意に、タバコを売ろうとしています。
日本では、タバコ会社が大口スポンサーのニュース番組は、
タバコ産業に不利なニュースを報道しません。
(欧米では、タバコ会社のスポンサー行為が既に禁止されている。)
大人の嗜みとの観点からしたら、値段が、あまりに安過ぎで、
子供の小遣い程度で買えてしまいます。
まず、欧米並みの、1箱\700〜\1,000程度に、値上げする必要があります。
コンビニエンスストア等の店先のスタンド灰皿は、喫煙者の息継ぎ(中継)地点になっていて、
歩きタバコを助長するばかりか、お店の出入りの際に、煙で燻されて迷惑です。
店内禁煙の飲食店も同じことです。お店の印象にとって大切な、出入りのタイミングで、
もうもうと煙を上げる灰皿の傍を通過して、不快になるわけで、
「いらっしゃいませ」・「ありがとうございました」の言葉が虚しく感じられます。
サービス業に、煙のお出迎え・お見送りなど要りません。
日常の迷惑喫煙行為の例を挙げれば、キリがありませんが、
これらは、紙巻タバコについてです。
例えば、歩きタバコについて言えば、葉巻やパイプを、くわえながら歩いている人が、
果たして、どれ程いるでしょうか……
紙巻以外のタバコによる喫煙行為に及ぶ人が少ない理由としては、
まず、高価であるということ、そして、
従来より、喫煙場所が制限されていたということが挙げられます。
昔、旅客機に喫煙席というものが、設定されていた時代がありました。
気密性の高い機内であり、防災・防犯(テロ対策)上の観点からも、
現代では、およそ考えられないことですが、
紙巻に限り、喫煙行為が容認されていました。
なぜ、葉巻等がダメだったのかと言いますと、
副流煙の量の多さは、紙巻の比ではなく、臭いも強烈だからです。
要するに、いくら周囲の人達が喫煙者であっても、多大な迷惑が及び、
禁煙席にまで悪影響を与えるためです。空調装置にも、物凄い負担になります。
一般的なレストランの客席でも、同様の対応でした。
結果的に、紙巻以外の方法で喫煙行為に及ぶ人達は、
ごく一般的な人達、特に、非喫煙者や子供の目に触れないところで喫煙しており、
受動喫煙問題が表面化することが、比較的少なかったと言えます。
理想はさて置き、ある意味、現実としては、
こうした、「人目につかない場所での喫煙行為」は、特に問題ないと思いますし、
紙巻が、葉巻等のスタンスに追随すれば、大方の問題は解決するでしょう。
限られたスペース内で、全員が喫煙者であれば、受動喫煙の問題は生じません。
(喫煙者本人は受動喫煙者でもありますが、自己責任ですから、致し方ありません。)
喫煙者の中には、昨今、喫煙行為自体が責められていると感じている人もありますが、
それ自体は、責めを負うべき行為ではありません。
ただ、何故、これほどまでに問題になるのかと言えば、
誰しも、思い当たる節はあるでしょう。
非喫煙者や子供の前、本来は禁煙が望ましい場所等での強引な反社会的喫煙行為が、
周囲から大迷惑だと思われているからです。
所構わず、喫煙行為に及ぶという、無粋で格好悪い姿をさらすことにより、
ますます、不利な立場に追い込まれています。
喫煙者自体の健康問題を心配しているわけではありません。
そんなもの、どうでもよいことです。タバコを吸わない人を保護することが大切。
さて、確かに、以前は私の所属する団体(全日本ソムリエ連盟)が、
シガーアドバイザーという呼称資格を認定していたのですが、
現在では独立して、
シガーアドバイザー協会(CAA / Cigar Adviser Association)が認定しています。
切り離されたと言いますか、独立して別の協会(団体)になったということを、
私は大いに支持していますし、正直、好都合でした。随分、気が楽になりました。
私共は、ANSA・CAA・SSI等の協会(団体)以前に、
これらを包括する上位団体であるところのFBOの会員であり、
個別の所属団体ではなくて、FBOに対して年会費を納めています。
つまり、私の納めた年会費は、自らの所属団体のANSA以外の活動にも使われており、
当然のことながら、私は、CAAを含めた他団体を擁護すべき立場にあります。
ただ、風通しの良い組織だと考えておりますので、
一会員が意見を述べることに、問題があるはずはありません。
シガーアドバイザーという呼称資格については、CAAの他にも、
日本キューバ・シガー教育協会
(C.C.A. / Japan Cuban Cigar Education Association)という団体でも、
認定を行っており、その上位呼称資格に、シガーマネージャーというものが存在します。
(川島 なお美 さんは、こちらのほうからも認定されています。)
ヨーロッパで、いわゆる、食後の3C、あるいは、4Cと言えば、
Cafe(カフェ)・Chocolat(ショコラ/チョコレート)・Cognac(コニャック/ブランデー)、
そして、Cigar(シガー)です。
ここで大切なのは、ワインとお料理を一通り楽しんだ「食後」だということ。
しかも、「別室」に移動していただくということです。
3番目までは、周囲の人達に影響を与えることはありませんが、
最後のシガーだけが、食事をする場所で、そのまま続行すると、多大な影響を及ぼします。
ヨーロッパのレストランでは、食後の時間を過ごす、専用のラウンジがあったり、
隣接するバーに案内するといったことが、確かにあったのですが、
公共の場所が禁煙になるにつれ、状況が変化して来ています。
ヨーロッパの古い習慣を、西洋料理文化の歴史の浅い日本に、
そのまま持ち込むのは、相当に無理があります。
シガーに関する(民間)資格が存在しなかった頃は、
Sommelier(ソムリエ)がシガーのサービスを担うことが、少なくありませんでした。
ただし、これには問題がありました。
私は、紙巻以上に、葉巻タバコの臭いが嫌いです。
嫌いな人にとっては、「香り」ではなくて、単なる「臭い(匂い)」です。
大量の煙に燻されて、目が痛くなり、呼吸が苦しくなり、
気分が悪くなり、即座に体調を壊します。
レストランの現場で働いているソムリエの中にも、
「ワインは好きだが、シガーのサービスが苦痛」との本音を語る人達もいます。
もちろん、そうした人達は非喫煙者です。
もしも、今後も、「シガーの提供もソムリエの任務の一環」とのことで、
非喫煙者のソムリエが嫌がっているにも関わらず、
シガーを吸う客の接客を強要する経営者がいるとしたら問題です。
ましてや、「シガーのサービスができないような者はソムリエの資格は無い」としたら大問題。
仮にそうならば、ソムリエは、全員が喫煙者ということになり兼ねません。
人に提供するからには、自らがそのテイストを理解する必要があるためです。
シガー(タバコ)が苦手ではあるものの、ワインに精通したソムリエを切るようであれば、
料飲業界は、貴重な人材を失うことになります。
シガーアドバイザーという呼称資格があるのは、実に、幸いなことです。
ソムリエの中には、シガーアドバイザーの呼称資格を持つ人もいます。
ワインとお料理との相性、タバコの影響について知り尽くしている人達なので、
今後の活動に大いに期待したいところです。
私は、FBOの会員ですので、傘下のシガーアドバイザー協会関連の資料につきましては、
多少、見ることができます。
このサイトをご覧の方々の中で、料飲サービス業従事者の方であれば、
FBO関連の資料(会報誌や試験要項等)が、レストラン・ホテル等の職場に届き、
回覧・閲覧できる環境の方もあるかと思います(特に法人会員の職場)。
また、業界関係者以外の方でも、サイト上で、ある程度の情報を得られます。
近々、試験も実施されます。
協会員が使用しているテキストの類以外で、
一般の人達も見ることができる資料には、ある特徴が見て取れます。
それは、「終始、喫煙者側の立場についてのみ述べられていて、
非喫煙者側(受動喫煙者側)の立場については、触れられていない。」ということです。
喫煙者本人の健康問題については書かれていますが、
周囲の受動喫煙者の健康問題や迷惑(不快感)についての、
配慮(対応)に関する記述は、見当たりません。
これは、至極当然のことだと思います。
確かに、喫煙行為は周囲に与える影響が極めて大きく、
喫煙者本人だけの問題ではありません。
しかしながら、シガーアドバイザーを始め、団体関係者は、
マナーをわきまえた、いわゆる、本当の大人の愛煙家ばかりですので、
周囲に迷惑になるような、反社会的喫煙行為に及ぶ人は皆無。
禁煙、あるいは、禁煙が望ましい場所での喫煙を要求しているわけではなく、
非喫煙者に対して、喫煙を勧めているわけでもありません。
歩きタバコ・ポイ捨て等をする輩など、いるはずがありません。
現在、シガー(たばこ)アドバイザーという呼び名ではありますが、
葉巻・パイプ・紙巻といった形態を問わず、全ての喫煙者の模範となる指南役なのですから。
受動喫煙問題を解消するためには、
全ての喫煙者の模範となるべき、こうした協会(団体)に啓蒙していただくことも、
有効な手段であると考えます。
紙巻・葉巻・パイプ……といった全ての喫煙行為が、将来、
ごく限られた閉鎖(密閉・隔離)空間で、喫煙者のみによって行われるようになれば、
不条理な受動喫煙が、社会問題化することはありません。
迷惑喫煙者の存在は、周囲に一切迷惑をかけない真の愛煙家にとっても大迷惑。
本来、迷惑喫煙者だけを減らしたいところですが、それが難しいので、
どうしても、喫煙者の総数を減らす方向に走ってしまいがちです。
迷惑喫煙者は、タバコに対する圧力を生じさせている原因が、
自らの反社会的行為にあることを自覚すべき。天に唾する行為であるということを。
私は、シガー(たばこ)アドバイザーや協会(団体)と深く関わることは不可能ですが、
少なくとも、私の敵ではないことは確かです。
微妙な立場とも言えそうなので、どう関わるべきか、正直、迷うところではありますが、
いずれにいたしましても、「ワイン&グルメの基本」が守られるよう、
今後とも、受動喫煙問題に取り組んでまいります。