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 [Jul.07,2005]

飲食店に全席禁煙が求められるのは従業員の受動喫煙防止と飲食物の安全のため


1. 料飲施設の従業員の受動喫煙被害の防止には分煙は無効

多くの欧米諸国で、飲食店の全席禁煙の流れが加速しています。
屋内・屋外を問わなかったり、屋内だけであったり、
アメリカのように州ごとに若干違っていたりということもありますが、
基本的に、RestaurantとBarの区別はありません。
Barも飲食する場所という意味で、Restaurantと何ら変わりありませんし、
お酒を飲む場所が喫煙に寛大であった時代は、もはや過去のものとなりつつあります。


では、飲食店内を、タバコの煙を遮断できる完全分煙にすれば解決するのでしょうか?
確かに、飲食店の利用客の中には、それで満足する人もあるでしょう。
でも、そこで働く従業員はどうなりますか?
実は、欧米先進国で、全席禁煙設定が進行しているのは、
お店で働く従業員の受動喫煙被害の防止といったのが主な理由です。


私は、大学生の時に、ある宿泊施設でアルバイトをしていました。
最も嫌な仕事は、灰皿に関することでした。
長い間、アルバイトをしていたのですが、最初の頃、私は未成年でした。
タバコの煙のせいで、吐き気をもよおしながらも、我慢して喫煙者の接客をしました。
私は非喫煙者と言いたいところですが、正確には、受動喫煙者ということになります。
厨房の一角に、灰皿洗浄専用の流し台がありました。
食器を下げる際、灰皿も同時に下げておりましたし、
利用客の中には、食器を灰皿代わりに使う人もいました。
灰皿を洗う場所が厨房の中にあったということもあり、灰が舞い上がったりして、
お客様に対して、正直、安全な飲食物を提供できたという自信がありません。

灰にまみれながら、随分たくさんの灰皿を洗いました。
手がヤニ臭くなって、なかなか嫌な臭いが取れませんでした。
タバコの水溶液は、毒性が強いことが知られています(煙草水は殺虫剤になる)。
人体に注射器で投与したり、乳幼児が誤飲した場合、重篤な症状に陥ります。
私は長期間に渡り、爪の間から、ニコチンを摂取していたことになります。

未成年者が喫煙者の接客をして、灰皿の掃除をするといったことは、
残念ながら、日本においては、現在でも続いています。
全席禁煙設定ではないファーストフード店やファミリーレストラン等で、
喫煙席に出入りして接客したり、灰皿を下げたりしているのは、
実際のところ、未成年者が多いのが現状です。受動喫煙を回避する術はありません。

健康増進法」を遵守する場合、店内に仕切りが無かったりして、
タバコの煙が流れて来る不完全分煙店は認められません。
禁煙席とは名ばかりで、受動喫煙席と言わなければなりません。

完全分煙にするのは、改装工事や設備投資のコストがかさみます。
仕切りの設置・集煙/強制排気装置の導入・空調装置の改善等です。
煙害(間接喫煙)を防止する完全分煙が実現したとして、
禁煙席と喫煙席にかかる費用の差は歴然です。
空調装置等のフィルターの掃除・(黄ばんでくる)壁/天井/空調の吸気口の掃除・
灰皿の管理……等、タバコの持ち込み料でも取らないことには、割が合いません。
仮に、喫煙者から持ち込み料を徴収したり、税収の一部で負担したとしても、
従業員の受動喫煙被害の問題は解決しません。

あるいは、仕入れ値の3掛け(3倍)の値段で、店内でタバコを売りますか……
日本のタバコは安過ぎるので、これでやっと欧米並みの価格になります。
でも、当然、これは不可能ですよね。
絵や写真を使用した、諸外国の警告表示(ABCD)程ではありませんが、
日本でも、タバコのパッケージに警告文が入るようになりました。
たばこ規制枠組み条約」の目的のひとつは、タバコの消費量削減です。
分かり切ったことを、わざわざパッケージに表示するのは、
購入意欲を減退させるためです。
タバコの製造・販売という、人類の大きな過ちの清算段階に、世界規模で入っており、
現在は過渡期とも言えるのですが、宣伝広告が禁止され、警告表示が義務付けられた、
タバコというものは、既に、商品としては終わっていると思います。

対して、完全禁煙にする場合にはコストはかかりません。
そればかりか、灰皿の掃除をしなくて済みますし、店内も汚れません。
結果的に、清掃費用等のメンテナンスに関わる経費の抑制になります。
従業員の服や髪の毛も臭くなりません。灰が舞い上がったり、こぼれたりして、
お料理や食器に付着することもありません。「食」の安全が保てます。
オープンキッチンのレストランや、カウンター席等に、
灰皿があるというのは、そこは調理場でもあるわけですから、
たとえ、分煙にしたとしても、飲食物に与える影響が懸念され、
禁煙席の利用者にとっても大問題です。

民間レベルの判断ですと、様々な思惑が錯綜して、
全席禁煙席店・完全分煙店・不完全分煙店が混在してしまいますので、
行政が強い指導力でもって、全席禁煙席に移行させることが、
従業員の受動喫煙防止のため、最善の策と言えます。
店内環境について、全席禁煙という条件統一が達成されれば、
禁煙・喫煙といった、本来の「食」とは無関係な低い次元ではなくて、
飲食店は、純粋に「食」という土俵の上で、顧客獲得競争をするようになります。

既にして、多くの欧米諸国が実現している飲食店の全席禁煙について、
いまだ足踏み状態である日本のことを思うと、心底情けなくなります。
飲食する場所に、タバコはあってはならないものです。

現在、各自治体では様々な取り組みがなされています。
イエローカードを市民に配布したり、健康増進法遵守の優良店を認定・表彰したり。
「空気がおいしい店」に、行政がお墨付きを与える、
東京都千代田区の、いわゆる「禁煙ミシュラン」は分かりやすくていいですね。
全面禁煙は三ツ星、完全分煙は二ツ星とのこと。
私は、当サイトのことを、
自らの所属する自治体(市役所・保健所等)にもお知らせいたしましたが、
今後、さらに積極的に、行政に働きかけてまいる所存です。


2. 喫煙者のマナーを正すのは時間と労力の無駄

タバコの販売元のJTが、喫煙者のマナーアップを訴える啓発活動を展開していますが、
既にして、手遅れの感があります。
私は、数多くの喫煙者と、意見交換してまいりましたが、特に多かった意見は、
「自分自身はマナーをわきまえて、周囲の迷惑にならないように気遣っています。
でも、ごく一部のマナー違反者の悪行が目立ち、善良な喫煙者はとんだ災難です。」
といったものです。

ごく一部の人達の悪行にしては、路面に、ポイ捨ての吸い殻が多過ぎませんか?
欧米では、飲食店のみならず、職場等の屋内が全面禁煙になりつつあり、
日本も現在、その流れの中にあります。禁煙教育が強化されたこともあり、
学校については、敷地内全面禁煙を定める自治体が増えてまいりました。
子供達の前で先生が喫煙していたのでは、禁煙教育の説得力がありませんからね。

ただ、屋内での喫煙が禁じられているからといって、
屋外で何をしても良いということではありません。
JTの啓発活動は、実際、その多くを歩きタバコ(歩行喫煙)・路上喫煙に割いています。
本来、大の大人が、わざわざ言われなくても分かる程度の社会の常識ですが、
販売元の注意や要望にも従えない、理性で改めることができないのですから、
やはり、手遅れです。ニコチン依存のため、身体がタバコを求めているような人に、
マナーを訴えるのは、時間と労力の無駄に他なりません。

以下に、日常の中でありがちな光景を挙げてみます。


 歩きタバコ(歩行喫煙)・路上喫煙・バイクや自転車で走行時の喫煙行為が増えた。
 喫煙者達の言い分は、屋内で吸えないからとのこと。
 だからと言って、こうした迷惑行為に及ぶのは筋違い。
 歩きタバコの場合、子供に火傷を負わせた事件がある。失明させる可能性さえある。
 服を焦がされた人、灰が飛んで来て服を汚された人がいる。
 他の歩行者と離れていても、煙で周囲の人達を不快にする。

 ポイ捨てが増えた。
 吸い殻だけではなく、包装フィルムや、握り潰したパッケージが多い。
 特に、最近のパッケージの警告文が気に入らないから、そうするとのこと。
 路面の掃除をする人達のことを考えたことがあるのだろうか。
 ボランティアで清掃活動をしている子供達に対して、恥ずかしくないのだろうか。
 もうもうと煙を上げていた灰皿スタンドが、街角から消えた。
 歩きタバコ・路上喫煙を助長するからである。
 だから、ポイ捨てするという言い訳は、誠に滑稽である。
 排水溝の吸い殻等は、やがて川や海に到り、釣り場にはタバコのフィルターが浮き、
 海岸には吸い殻が打ち寄せる。環境汚染を引き起こす。
 海水浴場で砂浜を灰皿代わりに使う人がいる。
 子供の誤飲事故防止のため、ビーチを禁煙にするところが出て来た。

 歩きタバコの際、あるいは、自動車の窓から、火の点いたままのタバコを投げ捨てる。
 豪快に投げ捨てるのが、ワイルドで格好良いとのこと。勘違いもいいところ。
 既に、建造物の火災の被害が出ている。共通の財産、文化財の損失が懸念される。
 およそ、反社会的迷惑行為が格好良いはずもなく、
 本人の自己満足のために周囲に迷惑をかけている。そんな人が一番格好悪い。

 自動車の運転席の窓から手を出して、タバコを弾いて灰を落としている。
 本人の車に灰がかかって汚れるのはどうでもよいが、
 他の車にかかり、窓が開いている場合、車内に灰が飛び込んで来る。
 バイクの場合は、人を直撃する。
 道路は灰皿ではない。何より、ハンドル操作をしながらの喫煙行為は危険であり、
 後方から近付いて来るバイク等に、手が接触する可能性もある。
 狭い路地で行うと、通行人にも接触する。
 子供は、「危ないので、窓から手や顔を出さないように。」と教わる。
 本来、見本を示すべき大人がこの有様とは、誠に嘆かわしい。

 子供の手をひいて歩いている親が、歩きタバコをしている。しかも、ポイ捨て。
 いずれ、その子供も親の真似をする可能性が高い。
 仮に、子供が路面に、噛んだ後のガムや包装紙を捨てても、注意しないだろう。
 いや、こうした親に子供を注意する資格は無い。
 飲食店で子供を喫煙席に座らせて、その席で平気で喫煙する親もいる。
 老人施設の介護者が、担当するお年寄りの傍らで喫煙している。勤務中である。
 8種類あるタバコのパッケージの警告文の一つ、
 「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、
 お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。
 喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。

 の文言が、とても虚しく感じられる。

 防火・防災上の観点から、従来より、地下街・地下鉄ホーム・地下道は禁煙。
 それでも、歩きタバコをする人がいる。注意すると逆ギレ。救いようが無い。


上記のような迷惑行為を繰り返す人が、
タバコに関することにだけ、問題があると考えるのは不自然です。
一事が万事。人格形成の過程に重大な欠陥があり、
こんな人達を再教育するよりも、次世代の教育に注力したほうが賢明です。
現在、学校の禁煙教育プログラムは充実しており、子供達のほうが詳しいかもしれません。
大の大人が、子供から注意されても改めないようであれば、もう終わりです。

次に、迷惑行為をしていないと自負する喫煙者が見落としがちのポイントを記します。
主に、喫煙者が鈍感になっている、自らが発するタバコに起因する悪臭についてです。


 飲食店内の席では、決して喫煙しないと決めている。
 でも、会食の時間中、禁断症状が出て席を立つ。
 外で一服してから直ちに自席に戻る。タバコ臭い。
 タバコの悪臭が服のみならず、身体に染み付いている人は、
 タバコ臭が増したことを感知し難い。

 フランスの新幹線(TGV)は、当然のことながら、全席禁煙である。
 イギリスと結ばれているユーロスターも同じ。
 残念ながら、現時点では、日本の新幹線には、過去の遺物の喫煙車両が存在する。
 タバコ臭い喫煙席は嫌という理由で、禁煙車両の席に座る喫煙者。
 吸いたくなったら、喫煙車両かデッキに行って、その後、禁煙車両に戻る。
 タバコ臭い。特に隣の席の人は迷惑。弁当を食べるのを止めるかも。
 窓が開かない構造の超特急列車は、全席禁煙の航空機に準じるべき。
 空調装置に多大な負荷がかかる。
 何より、列車内で働く従業員の受動喫煙被害の防止が重要である。

 家族に迷惑をかけないと自負するホタル族。自宅のベランダで吸う。
 でも、そこは、集合住宅のマンションのベランダ。
 隣の人が、窓を開けて換気することができなくなった。
 風で灰が飛ばされて、隣の人の洗濯物が汚れた。ホタル族も状況による。
 自分の家族さえ守れば、他の人の生活を脅かしても構わないのだろうか?


社会問題化しているタバコの受動喫煙被害の件は、
単に、非喫煙者 対 喫煙者といった単純なものではありません。
喫煙者自身、受動喫煙者でもあります。
自分の煙は構わないが、他人の煙は嫌で、
タバコの煙が充満して、空気のよどんだ空間には居たくないといった人が、
実際、多いものです。

自動車の窓を開けて、タバコを持った手を外に出すのも、
車内が煙たくなるのが嫌だからなのだとか。
自ら発煙しておきながら、随分と身勝手だとは思いますが、
それならば、煙害に苦しむ人達の不快感も理解できるはず。

以前は喫煙者で、いわゆる、卒煙した人(禁煙に成功した人)は、
マナーの悪い喫煙者に、過去の自らの姿を見る思いで、
嫌悪感を持っている人が少なくないようです。
以前は鈍感だったタバコの悪臭に敏感になったとのこと。

非喫煙者であれば、すれ違っただけで喫煙者だと分かったり、
無人のエレベーターであっても、直前に喫煙者が乗っていたことが分かったり、
家を訪問して、玄関に入っただけで、喫煙者が暮らしている家だと分かったり……
家の壁や天井・PCやTVのモニター等がヤニで黄色く汚れているような住宅環境ですと、
やはり、一歩、家の外に出て、他人への迷惑を気遣う感覚は薄れるのでしょう。
タバコ臭を凝縮した空間は、何と言っても、タクシーだと思いますが、
これが分からないとしたら、鼻の粘膜が痛んで、嗅覚が相当鈍っていると考えられます。

受動喫煙被害の問題は、好き・嫌いの次元で論じるべきことではなくて、
タバコの害を認識して、社会問題として取り組むべきこと
ですが、
卒煙者の方々には、ぜひ、この問題について、大きな力を発揮していただきたいものです。


3. 酒もタバコも……

「タバコにだけ大きな警告文が入るのは納得行かない。他の製品にも入れるべき。」
といったことを言う喫煙者がいます。
確かに、いわゆる嗜好品を含めて、注意文・警告文が入っている製品は多々ありますが、
その多くは、PL法(製造物責任法)か、業界団体の自主規制によるものです。
消費者の保護・企業の危機管理・訴訟対策の側面があります。

タバコだけが特別なのは、それが消費削減目標の対象物になっているということです。
商品でありながら、既に、積極的な宣伝広報が禁じられています。
たばこ規制枠組み条約」が目指しているところであります。
ですから、購入意欲を著しく減退させるものでなければなりません。
それでも、日本で販売されているタバコのパッケージの警告表示は、
諸外国のもの(ABCD)と比較すると、まだまだ甘いものです。

(警告表示の入る前の)昔の箱や他のケースに詰め替えても、中身は一緒。
喫煙者は、日本製のタバコが、他の国では、
肺癌患者の解剖体や病人の写真等が入った包装で、販売されているという事実を、
知っておいたほうが良いでしょう。

「いっそのこと、タバコの販売を中止したら?」といった声もあります。
タバコの製造・販売という、人類の過去の過ちの清算段階に、
世界規模で入っているとはいえ、直ちに販売を中止するのは無理でしょう。
最悪の場合、「現代の阿片(アヘン)戦争」の状態になることが懸念されます。

(州ごとに異なるものの)アメリカは、原則、屋内は禁煙と言えるでしょう。
アメリカ国内での喫煙率は低下していて、タバコは高価なのですが、
一方で、アメリカはタバコ生産大国であります。
日本の喫煙者という、大のお得意様のおかげでもあります。
アメリカで売れないタバコを、日本に売って大儲けする。
阿片戦争は、イギリスと清(中国)との問題でしたが、
基本的な構造が似ているような気がして、あまり愉快ではありません。
一度、ニコチン依存症にしてしまえば、本人がタバコを止めたいと思っても、
なかなか止められず、ずっと、タバコを買い続けてくれる優良顧客になる。
タバコ会社の手法が、悪魔のマーケティングと言われる所以。
タバコは自らの意志で「吸っている」のではなくて、
タバコ会社から「吸わされている」ということ。
ニコチン依存症に仕立ててから、ずっと金を搾り取り続ける……何とも恐ろしい話。


たばこ規制枠組み条約」は当初、自動販売機の禁止を盛り込んでいましたが、
日本とドイツが反対して見送られ、未成年者の利用防止に留まりました。
実質的に、自動販売機が普及しているのは、日本とドイツだけだからです。
その他の国では、条約に関わらず、既に、自動販売機の設置が違法であったり、
もともと、自動販売機が馴染まないお国柄だったり……
ヨーロッパを訪れますと、(タバコに限らず)自動販売機自体が少ないことに気付きます。
日本は、世界でも稀な自動販売機大国です。
JT(旧専売公社)の株式の半分を財務省が保有していて、天下り先になっていたり、
葉タバコ農家を票田にする一部の議員の思惑が絡んでいたりと、
実は、消費者である喫煙者自身とは別の(政治的な)次元で、物事が動いています。
また、JTは国内の工場の縮小・人員削減を図る一方で、
ロシアや台湾でタバコを売って儲けようとしています。

極めて歪んだ産業構造から生まれるプロダクトがタバコです。
強い意志で喫煙を続行する人達はともかくとして、
止めたいのに止められない状態の人達のことを思うと、気の毒になってしまいます。

「我々がタバコを吸わなくなったら、葉タバコ生産農家はどうなるのか?」
といったことを言う喫煙者もいます。ご心配には及びません。
たばこ規制枠組み条約」には、「タバコ耕作による環境破壊の抑止」と共に、
タバコ農家や小売業者の転業支援」が盛り込まれています。
そもそも、葉タバコ生産農家の生計を考えて、喫煙しているわけでもないでしょうに……
産業構造は市場原理により、時代の要請を受けて変化して行くもの。
例えば、ケータイに取って代わられたからといって、
ポケットベルのサービスを行う会社を応援しようといったことにはならず、
葉タバコ生産農家は、別の農作物を生産する等、今後、事業転換が進むことになります。

喫煙者は、葉タバコ生産農家の人達の生活を心配する暇があったら、
どうか、受動喫煙被害者のことを心配して下さい。
なお、自らの健康の心配をする必要は一切ありません。だって、自己責任ですから。
他人に迷惑をかけない範囲で、どうか、今までどおり、喫煙をお続け下さい。
要するに、人前では喫煙しないことです。
(でも、寝タバコで全焼させるのは、自分の家だけにして下さい。)

「税金を多く払って社会貢献しているのに……」との声も。
その税収も、余分な医療費や清掃費等で消えてしまうどころか、
火災によって、尊い人命・貴重な文化財・山林等が失われ、大きな損失です。
「たばこ規制枠組み条約」には、さらなるタバコの値上げが盛り込まれています。
欧米では、同じ銘柄が、日本の3倍程度の価格で販売されていることも珍しくありません。
税率が8割を超える国もあります。今後、日本でも、タバコの価格が上がりますが、
そんなことで納税者を自負するよりも、もっと有益な社会貢献があります。
喫煙者の方におかれましては、タバコの吸い殻や空き箱を拾うボランティア活動に、
参加されてみてはいかがでしょうか。
でも、それ以前に、ポイ捨てをしないことのほうが大切なのですが……

私は、このサイトの最初のほうに、お酒の場合に例えて、

  アルコール・ハラスメント(飲酒の強要)を挙げると、解り易いと思います。
  「俺の酒が飲めないのか!」と絡んだり、イッキ飲みを強要することは、
  相手に肉体的・精神的な苦痛を与え、重大な人権侵害に当たります。

  レストラン等の飲食施設において、
  タバコの煙を、強制的に、吸わされるということは、
  いわば、お酒が飲めない人(下戸)が居るテーブルに、
  隣のテーブルの、見ず知らずの泥酔者が、「俺の酒が飲めないのか!」と、
  絡んで来て、飲めない人に、無理矢理、口を開けさせて、
  強引に、お酒を飲ませるようなものです。
  お酒の場合は、まだ、断ることによって回避できますが、
  タバコの煙の場合は、防ぎようがありません。不条理極まりない話。


と書きました。よく、「酒もタバコも……」と言われることから、
さらに、比較して書いてみます。

「食」の観点からしたら、お酒は料理にも、しばしば用いられます。
これに対して、タバコは「食」の安全とは相容れないものです。
受動喫煙被害や灰による汚染を、極力抑えなければなりません。

お酒を嗜む方の中で、外出先では飲まずに、
仕事が終わって帰宅して、自宅での晩酌を楽しみにされている方があります。
飲酒の場合、全く飲まない日、いわゆる休肝日を設けて、
上手にお付き合いされている方も多いようです。
本来、余裕を持って、上手に付き合うのが、「嗜好品」というものでしょう。
ただ、タバコの場合は、「休煙日」を設けるどころか、
分刻みで我慢できない人もいて、なかなか距離を置いた付き合いが難しいようです。

自由業や在宅勤務の場合は、嗜好品を自宅兼職場で楽しみながら仕事をすることに、
特に問題が無いことがありますが、自宅から職場に通う例を考えてみましょう。
毎晩の晩酌といった観点からしたら、喫煙者が職場に出向き、
外出先では一切喫煙せずに、帰宅してから一服するといったことになります。
自宅で行う分には、全く問題ありません。
勤務時間は、通常、長距離国際線の旅客機の搭乗時間よりも短いわけで、
もしも、身体の求めに応じて、喫煙行為が我慢できないのであれば、
物理的に、日本から欧米への飛行機での渡航は不可能ですね。
仮に、現地に行ったとして、日本の常識・世界の非常識ですから、
タバコが吸えなくて、相当に苦しい思いをすることになります。
また、現地でタバコを調達しようとしても、
日本円にして、\1,000近くするタバコの値段(一箱)にビックリすることもあるでしょう。

職場で、全体の休憩時間でもないのに、頻繁に席を立って喫煙所に通う人。
当然、他の人、特に非喫煙者と比べて、実質的な労働時間が短くなります。
同じ業務をこなして、生産効率の悪い喫煙者と給与が同じというのは、
割に合わないという声は、誠にごもっとも。
仕事中にもかかわらず、嗜好品が我慢できないというのは、
もはや、ニコチン依存のために、「必需品」になってしまっているということ。
タバコが嗜好品ではなくて、「死向品」だと揶揄される所以。

例えば、常に、酒カップをポケットの中に常備していて、
勤務時間中にもかかわらず、度々席を外して飲酒して、
酒臭い息を漂わせて自席に戻る。直ぐに禁断症状が出て、席を立ち、
また、お酒を飲んで、席に着く。嗜好品だと称して。ストレス解消になると称して。
外出すれば、営業活動中にもかかわらず、酒カップを飲みながらヨロヨロ歩く。
すれ違った人に接触して、飲みかけのお酒をかけて、服を濡らしてしまうこともある。
飲み終わった酒カップは道路にポイ捨てする。まだ中身が入っている場合もある。

果たして、こんなアルコール依存症の人を雇う職場があるでしょうか?
でも、ニコチン依存症の人も大差無いと思いますが……
職場で喫煙所に居る時間が異様に長い人、
自社ビルから出たら直ぐに歩きタバコを開始して、吸い殻をポイ捨てする人……
そんな人達を、私はいっぱい知っています。

私が、最も関心があるのは、料飲施設における禁煙です。
お客様から見ればお店であっても、従業員から見れば職場。
これからの、CS(Customer Satisfaction/顧客満足)の最低条件は、
受動喫煙の被害に遭わないこと。
それは、ES(Employee Satisfaction/従業員満足)、あるいは、
従業員の福利厚生面の観点からしても、大変重要な課題です。

利用客の視点では、「分煙で充分ではないのか?」といったことに留まり、
なかなか、サービス業で働く従業員のことまでは、考えが及ばないことが多いものです。
ずっと繰り返してまいりましたとおり、私は喫煙者本人のことは問題にしません。
飲食店の対策に関しては、ひとえに、経営者の責任です。
特に、未成年者の従業員に、喫煙者の接客をさせるというのは大問題。

今のところは、現行法の「健康増進法」を遵守すれば済むというだけの話。
日本は法治国家です。法律を守らせるのは行政の役目。
今後の行政の動きに大いに期待したいものです。